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岐阜

「希望」から出馬予定の4人に明暗

2017年10月4日 紙面から

 「小池劇場」が、岐阜の選挙をまたかき乱した。三日に発表された新党「希望の党」の衆院選候補の一次公認で、民進党を離れて出馬を予定していた四人のうち、岐阜1区の吉田里江氏の公認が認められなかった。他の三人は新しい党での戦いに意気込みつつ、仲間の思わぬ「排除」に複雑な心境も漏らした。

 「約三年、1区の皆さまと歩んできた。1区でしっかり戦う」。無所属での出馬が濃厚となった吉田氏は夕方、岐阜市内で会見。悲壮な決意を口にした。

 一方、公認が下りた4区の前職、今井雅人氏は「はっきりしなくて少しもやもやしていた。これですっきりした」とほっとした表情を見せた。

 民進党県連代表として、他候補も引っ張る立場だった。吉田氏の処遇には「憤りを感じている」と語気を強めたが、今後に向けては「横で連携するなんて悠長なことは言っていられない。組織戦でなく、個人戦でやるしかない」と話した。

 「明日は、緑色のTシャツを着て街頭に立つ」と気合を込めたのは、3区から出馬する元職の阪口直人氏。「今後は『希望の党の阪口』をうたい、政権交代可能な政治をつくる」と意気込んだ。

 5区の元職、阿知波吉信氏は「新しい鎧(よろい)に着替え、安倍一強に思いっきりぶつかる」と表情を引き締めた。

 民進党出身者はそれぞれ、希望の党と政策協定を結んだとされる。安全保障法制で「不断の見直しを行う」などとした新党の方針については「現実的な対応。私の主張と差異はなく、踏み絵とは思わない」と強調した。

 民進党県連によると、希望の党は1、2区に独自候補を立てない方針という。1区は自民前職の野田聖子総務相がおり、吉田氏陣営は「対立軸を一本化したい」と、山越徹氏を立てる共産党との共闘に再び期待する。ただ、松岡清・共産党県委員長は「党の基準に合わず、本人からの連絡も無い」と否定した。

 連合岐阜は「状況が変わっても、推薦は変わらない」と、民進出身の四人を支える方針を示している。

 (衆院選取材班)

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