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岐阜

催しの秋、直撃困った 会場変更や準備掛け持ちで自治体職員ら嘆き

2017年10月3日 紙面から

 任期を約一年二カ月残す突然の解散で、十日公示、二十二日投開票となった次期衆院選は、秋のイベントシーズンの真っただ中に行われる。行事の会場が投開票所と重なって変更を強いられたり、催しに携わる行政職員が選挙事務との兼ね合いに困惑したりと、影響はさまざまだ。

 投開票日の二十二日は、西濃で大きな行事が重なる。揖斐川町の開票所となる揖斐川健康広場の体育館周辺では、「いびがわマラソン」の三十回記念イベントを実施。通常は前日に開票台などの設営を終えるが、今回は午後三時半ごろ準備にかかる。町選管の担当者は「『突貫工事』でやるしかない」と苦笑する。

 養老町では、東海環状自動車道西回りルートが一部開通する。児童らが参加する記念行事には、町職員も駆り出される予定で、担当者は「選挙事務に当たる職員は外さざるを得ない」と嘆く。

 スポーツの秋だけに、自治会の運動会も多く開かれる。本巣市のある地区は、テントや「大玉送り」の玉などを保管する集会場が投票所となり、荷物を遠くの空き家に移さなければならなくなった。役員の一人は「軽トラック二台で三、四往復しないと。急に降ってわいた解散のおかげで…」とこぼした。

 美濃加茂市が普段、開票所としている体育館では、歌手の鳥羽一郎さんらが出演する「JAの集い」がある。市は開票所の変更を決めたが、新しい会場は開票台が半数しか置けず「結了時間が遅れるのは確実」(市選管)という。

 公示から初の週末となる十四、十五日の行事は、期日前投票が影響を及ぼす。両日に「合戦祭り」が開かれる関ケ原町では、町役場周辺が会場になることから、投票所を別の公民館に変えた。

 美濃加茂市の「太田宿中山道まつり」(十五日)では、時代行列に参加する約百人が着替える集会場が投票所に。担当者は「投票する人の気が散らないよう、静かに出入りしてほしい」と気をもむ。

 県議会は、衆院選公示日の十日に予定されていた常任委員会を十一日に延ばす見込み。議会事務局によると、各委員会は付託された議案を閉会前日(十二日)までに審議すればよく、日程は委員長の判断で変えることができるという。

 (衆院選取材班)

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