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岐阜

浸透戦略、急がば巡れ 解散後初サンデー

2017年10月2日 紙面から

 九月二十八日の衆院解散から初めての日曜日となった一日、県内五選挙区の立候補予定者らは人出の多いイベントに顔を出したり、支援者の会合で政策を訴えたりと大忙し。新党「希望の党」の成り行きなど不確定要素が残る中、それぞれ十日の公示に向けて一気にアクセルを踏み込んだ。

◆1区

 総務相を務める自民前職の野田聖子氏は、この日が公示前最後のお国入りとなる見通しで、選挙関係の会議やパーティーなどに奔走した。

 希望の党に公認申請する民進新人の吉田里江氏は、岐阜市の神社で琴の演奏を奉納した。帯締めの色は、希望の党のイメージカラーの緑。地域住民らに「岐阜のため、全身全霊をささげる志は変わらない」と呼び掛けた一方、公認をめぐって民進党と希望の党の見解がまとまらない現状を「偉い先生方の欲や保身で永田町が動いている」と皮肉った。

 共産新人の山越徹氏は、岐阜市内の五カ所で街頭演説をした。諸派新人の野原典子氏も出馬する。

◆2区

 自民前職の棚橋泰文氏は大垣市などで、祭りやイベント会場を十カ所ほど回った。

 大垣市の「すのまた秀吉出世まつり」では、ヒョウタン形の絵馬に「勝利と安心を」と書き込んだ。「個人と国民の願いを、一つずつ書きました」。垂井町の表佐太鼓踊りの奉納には、終了間際に到着。「今年も来年も、皆さまが幸せな年になることを祈念します」とあいさつした。

 共産新人の森桜房義氏は、大垣市や池田、神戸両町で街頭演説やミニ集会を重ねた。

◆3区

 経済産業副大臣の自民前職武藤容治氏は各務原市内の二カ所で国政報告会を開いた。「野党がすごい勢いで変化しているが、私には理解できない」と指摘。希望の党について「衆院選は政権選択の選挙なのに、誰が(首相として)政権を担うのか決まっていないのも、おかしい」と批判した。

 民進元職の阪口直人氏は、選挙区内のスーパー前など二十カ所で街宣し、しがらみのない政治を訴えた。共産新人の井上諭氏は、岐阜市で演説し「平和でないと商売は成り立たない」と述べた。

◆4区

 自民からの出馬がこの日に決まった新人の金子俊平氏は、岐阜市で会見した後、地元であいさつ回り。迎え撃つ民進前職の今井雅人氏は、美濃加茂、可児両市と八百津町の運動会などを慌ただしく巡った。

 可児市の会場では、徒競走に出場するなど奮闘。大会関係者から「これからどうなるの」と希望の党への合流について聞かれる場面もあり、「『大変だね』と同情の声を多くいただく。誰が相手でもやるべきことをやる」と話した。共産新人の籠山(こみやま)恵美子氏も、立候補を予定している。

◆5区

 自民前職の古屋圭司氏は、午前にJR中津川駅前で「六斎市」の会場を練り、来場者と交流。午後は瑞浪市で会議に出席するなどした。民進元職の阿知波吉信氏は恵那、中津川、多治見の各市を街頭演説して回った。

 共産新人の小関祥子氏は、中津川市で事務所開きに臨んだ。支援者らの前でマイクを握ると、「安倍首相が、消費税の増額分を子育て支援の財源にするというのが腹立たしい」と強調。消費税ではなく、防衛費などを福祉に回すよう訴えた。

 (衆院選取材班)

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