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岐阜

「電撃合流」民進混乱続く 自民は警戒、共産4区擁立へ

2017年9月30日 紙面から

 衆院解散から一夜明けた29日も、「電撃合流」の衝撃は収まらない。県内の民進党の4立候補予定者は、いずれも離党届を出し、新党「希望の党」に公認を申請。自民党の各陣営は「野合」を批判しながらも危機感を強め、野党共闘を模索してきた共産は、空白だった4区に候補を立てる方針を示した。

■新色をミックス

 「希望あふれる社会を作るため、安倍政権を打倒しなければ」。早朝にJR岐阜駅前でマイクを握った1区新人、吉田里江氏がまとっていたのは、希望の党を連想させる緑の蛍光色の上着。たすきは前日までと同じピンクで「政党と自分の色をミックスさせて訴える」と力を込めた。

 3区の元職阪口直人氏は「民進党」と書かれた旗やビラを使用。「(離党が確定しない)今はまだ、民進党の阪口というスタイル」としつつ、緑色を取り入れた印刷物の用意にも取り掛かった。

 民進の前原誠司代表と自身の笑顔が載ったポスターに、苦笑を浮かべるのは5区元職の阿知波吉信氏。もう約千枚を印刷したといい、「公示まで(新しい)ポスターは、なしかな」とつぶやいた。

■警戒と皮肉

 偶然にも同じ色だった。自民党県連の幹部らがこの日、岐阜市の事務所に立てた選挙対策本部の看板も緑。選対委員長代理の岩井豊太郎県議は「解散前は悪い雰囲気ではないと思っていたが、厳しい選挙になる」と表情を引き締めつつ、「民進で積み重ねたものをかなぐり捨て、生き残るためだけに移るとは」と敵を皮肉った。

 5区で十選を狙う古屋圭司氏は「今までと戦い方は同じ。取り組んできたことや実現させたことを具体的に、愚直に伝える」と淡々。金子一義氏が引退した4区の公募は締め切られ、県連は応募のあった十三人から五人に絞り、十月一日の面接で候補を決める。

■共闘から一転 

 候補一本化へ秋波を送った日々から一転、民進に敵意をむき出しにしたのは共産党。県委員会の松岡清委員長は「裏切られた気持ち」。県内全小選挙区に候補者を立てると明らかにした。

 既に1、2、3、5区での出馬は決まっている。4区は、民進県連代表で前職の今井雅人氏の地盤であることから、擁立していなかったが、「希望の党は自民の補完勢力でしかない」と新たな候補者を決めた。既に党の公認を受けており、近く発表する。

 (衆院選取材班)

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