「日本をリセットする」という東京からの叫びは、岐阜まで届くのか。小池百合子東京都知事が代表となり、二十七日に結党会見があった「希望の党」と、民進党との実質的な合流の可能性が、にわかに浮上。二十八日の衆院解散前日の騒動に、県内の民進党関係者と候補予定者らは戸惑いを隠さなかった。

　岐阜市美江寺町の民進県連事務所では夕方、テレビで両党の「合流の方針」が報じられると、職員らがあぜんとした表情で見入った。二階では次期衆院選に向けた１区の選挙対策会議が開かれており、支援者らが「本当なのか」「どういうことだ」などと職員らに問う場面もあった。

　伊藤正博幹事長は「コメントのしようがない」と慎重な口ぶり。「政権交代を目指すには、与野党が一対一で戦うのが望ましいとは思う。党本部の方向性に従ってしっかり選挙に臨むだけ」と淡々と話した。

　３区から出馬する元職の阪口直人氏は「どういう形で合流になるのか全く分からない。驚いているとしか言いようがない」。この日午前、希望の党結成を受けて「一定の戦略的な連携があってもいい」と話したが、「合流」の報道に接した後は、言葉少なだった。

　１区の新人、吉田里江氏も「状況を見守るしかない」と静観の構え。５区の元職の阿知波吉信氏は「前原代表を信任し、一任するほかない」と話した。

　一方、希望の党の細野豪志氏と連絡を取っているという、前民進党県連代表の元参院議員、小見山幸治氏は「多くの国民は、安倍政権にくさびを打ち込める保守新党を望んでいる。期待に応えられる結集だ」と評価。新党で次期衆院選に挑むかどうかは「今後、いろいろな状況の中で判断したい」と含みを持たせた。

　（次期衆院選取材班）