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岐阜

4区・金子氏不出馬に戸惑う地元 後継急ぐ自民、野党は奮起

2017年9月21日 紙面から

 三十年以上、地域の声を国会に届けてきたベテランが、政界を去る。一九八六年から十度の当選を重ねた岐阜4区の衆院議員、金子一義氏(74)=自民=の次期衆院選への不出馬が明らかになった二十日、地元の支持者には驚きが広がった。自民は後継者擁立を急ぎ、野党は同区の議席獲得の好機に奮起。今月末に衆院解散となれば、十月の飛騨、中濃で激戦が繰り広げられそうだ。

 「あれほど淡々とした先生の声は聞いたことがない」。十九日に金子氏から電話で不出馬の意向を伝えられた後援会幹部は、複雑な表情を見せた。二十一日には本人が後援会の幹部会に出席する予定。「後援会としては慰留したい」と語った。

 自民党県連は同日に幹部会を開き、対応を協議。近く全国から候補者を募る。党関係者からはすでに、複数の名前が挙がっている。

 同じ岐阜4区を地盤とし、衆院、参院ともに議員経験がある藤井孝男氏(74)の動向も注目されるが、秘書は「比例での出馬を目指しており、小選挙区では考えていない」と話す。岐阜4区は、金子氏の父・一平氏の時代から半世紀、自民が議席を守った牙城。自民としては死守が求められ、県連関係者は「最重点区だ」と危機感をあらわにした。

 岐阜4区に野党から挑む立候補予定者は、金子氏の功績をたたえつつ、宙に浮く票の獲得に気合を入れる。

 二〇一四年の衆院選で金子氏に敗れ、比例東海ブロックで復活当選した民進現職の今井雅人氏(55)は「長年この地区を守ってこられたことに、敬意を表している」と惜しみつつ「自分はやれることをやるだけ」ときっぱり。日本維新の会岐阜4区支部長の新人、佐伯哲也氏(47)は「地域のために働いてきた姿への感謝はあるが、政治家の進退は自分で決めるもの。金子さんが退いても、こちらの戦い方が変わるわけじゃない」と述べた。

 (次期衆院選取材班)

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