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福井

<2区> 高木さん「地方に活力」

2017年10月23日 紙面から

支援者と握手して当選の喜びを分かち合う高木さん=敦賀市の事務所で

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 自民前職の高木毅さんは午後八時すぎ、当選確実の一報を受けて敦賀市中央町一の事務所に姿を見せると、拍手で迎えた多くの支援者と固く握手。壇上で万歳三唱し「大勢に支援してもらった。それに尽きる」と頭を下げて感謝した。

 情勢は終始リードだったが「決してそんな状況ではない」と油断はなかった。各地の事務所を拠点に、地盤のある嶺南だけでなく、前回選挙から2区になった嶺北の対象地域もくまなく回り、声をからした。

 一貫して訴えたのは、地方の活性化。個人演説会などでは、原子力政策や農業など県内全域に関わる課題解決に加え、地元のトンネル工事や北陸新幹線延伸を巡る特急存続など地区ごとの案件にも言及した。六期の実績は前面に出さず、今後の政策を押し出した。

 2区には廃炉中も含めて十五基の原発が立地する。自身が訴える再稼働推進への不安の声には「万が一の防災対策も必要。何より地元の理解をいただくようにやっていく」と述べた。「地方を活力のあるものにするのが最も重要な課題。責任は重いが、応えて仕事をしていく」と七期目の抱負を語った。

 (米田怜央)

◆斉木さん「福井を豊かに」

比例代表で復活当選し、喜びを分かち合う斉木さん=越前市の事務所で

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 「福井を日本一、豊かな地域にしたい」。希望元職の斉木武志さん(43)は小選挙区では涙をのんだものの、比例代表で復活当選を果たし、越前市片屋町の事務所で喜びをかみしめながら宣言した。

 民進党の公認候補として、昨年六月に越前市に移住。党の合流を受けて、希望の党からの出馬となった。選挙戦では知名度アップを狙い、選挙カーで自らマイクを握り、選挙区を「市議選並みにくまなく回った」(陣営関係者)。有権者に顔を直接見てもらって、考えに触れる機会を増やそうと姿が見える活動で浸透を図った。街頭演説では、訪れた土地に合わせて内容を変えながら政策を訴えた。斉木さんは「最初は認知度の壁があった」と選挙戦を振り返り「地域を守れるのは私なんだという訴えが最後に届いたのかなと思う」と話した。

 (鈴木啓太)

◆猿橋さん「市民と連携、心強く」

敗戦の弁を述べる猿橋さん=敦賀市の事務所で

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 旧大飯町議時代から合わせ、十回目の選挙は敗北に終わった。

 共産新人の猿橋巧さんは敦賀市白銀町の事務所で「自民党政治に対して、国民の気持ちが離れていることは確かだった」と振り返った。民進党の希望の党への合流で、野党共闘協議がご破算に。合流前は「(斉木さんは)優秀な人らしいね」と、統一候補への期待を隠さなかったが、「これですっきりした」と語り選挙戦に入った。

 原発を多数抱える広大な選挙区。立地自治体で脱原発を訴える難しさを知る猿橋さんだが「原発の話題は避けては通れない」。原発再稼働反対を訴える唯一の候補として戦い抜いた。

 「原発に頼らざるを得ない、そう地方に仕向けている国のあり方を問い直したい」。演説は、町議としての経験・信条がにじんだ。

 「地方でも市民と野党の連携の動きがあったことは心強かった」と前を向いた。

 (山谷柾裕)

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