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福井

<1区> 稲田さん、再出発「謙虚に」

2017年10月23日 紙面から

スタッフたちと5選を喜ぶ稲田さん(手前)=福井市の事務所で

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 正念場を乗り切った。1区は自民前職の稲田朋美さんが早々と五選を確実に。防衛相辞任など逆風が吹いたものの、抜群の知名度と組織力で議席を守った。

 この一年は苦難の連続だった。森友学園が起こした訴訟を巡る国会答弁撤回や東京都議選の応援演説で自衛隊の政治利用ともとれる発言、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題による防衛相辞任…。逆境に何度も立ちすくんだ。

 それでも地元支援者らの「もう一回頑張れ」という声に背中を押された。公示後は「どぶ板選挙」を徹底。約六十の後援会組織と党支部の協力で各地をくまなく回り有権者と向き合った。当選後も感謝の言葉を忘れなかった。

 経済や安全保障、地方創生など課題は山積している。一連の騒動を念頭に「足らない点は説明責任を果たす。反省すべき点は反省し、謙虚にひたむきに愚直に政策を前に進める」。福井市大手三の事務所で詰め掛けた支持者にしっかりと約束した。困難を乗り越えた「福井の肝っ玉おっかさん」が再スタートを切る。

 (山本洋児)

◆鈴木さん「支持者に感謝」

小選挙区の結果を受け、厳しい表情のまま支持者に感謝を伝える鈴木さん=福井市の事務所で

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 小選挙区で自民の分厚い壁にはね返された希望新人の鈴木宏治さん。午後九時前に福井市文京二の事務所に現れ、支持者らに「みなさんの支えで戦うことができた」と厳しい表情のまま感謝を伝えた。

 民進と希望を巡る混乱の中、出馬を表明したのは公示三日前。「超短期決戦」で、防衛相時代に森友・加計学園問題や日報隠蔽(いんぺい)問題などで大きな批判を浴びた自民前職に挑んだ。

 公示後は1区内各地で一日百回を目標にミニ演説を繰り返し、自民政権下で衰退を続ける地方の再生を訴え続けた。民進の支持母体の連合や維新支持層の支援を受け、批判票の獲得を狙って追い上げてきた。

 「反応は良かった」(陣営関係者)というものの、厳しい結果。鈴木さんは「まだすべての結果が出たわけではないので状況を見たい」と語り、比例代表の結果を待った。

 (中崎裕)

◆金元さん「悔しい」

落選が決まり敗戦の弁を述べる金元さん=福井市の事務所で

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 十度目の衆院選挑戦も議席には届かなかった。共産新人の金元幸枝さんは「安倍政権を何とかしてほしいという期待に応えられなくて悔しい」と、福井市二の宮五の事務所で振り返った。

 選挙戦では「暴走を続けてきた安倍政権に対して、厳しい審判を下せるチャンス」と、国民が主人公の政治の実現を訴えた。憲法九条改正には一貫して反対。「安倍政権ほど憲法をないがしろにした政権はない」と指摘し、憲法九条を守ることを訴え続けたが、自身の当選にはつながらなかった。

 ただ九条への思いは変わらない。「国民が、戦争する国に変えていいと思っているとは思えない」と話した。

 自身への期待の声や励ましもあった。打倒安倍政権への思いは持ち続ける。「力を合わせてさまざま活動をしていきたい」と前を向いた。

 (中場賢一)

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