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福井

<候補者の横顔> 1区

2017年10月12日 紙面から

 衆院選が公示され、県内の2つの小選挙区には計6人が立候補した。街頭や集会などの演説では分からない、各候補の人柄や生活ぶりなど「横顔」を選挙区別に2回に分け、公約とともに紹介する。=上から届け出順

◆癒やしは愛犬2匹 金元幸枝さん(59)共新

 赤旗記者をしていた三十一歳のとき、初めて衆院選に立候補した。それ以来、変わらぬ思いがある。「憲法をしっかり守って、平和な日本でいたいな」

 当時は演説で「何を言っているか分からない。迫力がない」と指摘された。経験を重ね、たどり着いたのは実感を大事にすること。「自分も一国民であり一県民。みんなの心配事が政治とどういう関係にあるのか伝えたい」

 忙しい日々の中、癒やしてくれるのは、愛犬のタロウとシンちゃん。散歩は夜中になるが「健康維持のため」と二〜二・五キロほどを歩く。特に人懐っこいシンちゃんは「放っておけない」と気に掛ける。

 自身のフェイスブックに写真を載せるのも趣味の一つ。お気に入りは真っ赤な体をしたトンボのナツアカネ。見つけたら「やったね」と撮影に没頭。童心に帰る瞬間だ。

 (中場賢一)

 【公約】憲法破壊、民意無視、国政私物化の安倍政権を市民と野党の共闘で退陣に追い込む。

(1)戦争法などを廃止し、戦争する国づくりをストップ、平和な日本を取り戻す

(2)森友・加計疑惑を徹底追及

(3)消費税の10%増税を中止

(4)原発再稼働反対、「原発ゼロ」の日本へ転換(5)教育の無償化、年金・社会保障削減の中止で格差と貧困をなくす

◆仲良し長女が支え 稲田朋美さん(58)自前

 忘れられない数字がある。「373」。十二年前、初当選した際の票差だ。以来、車のナンバーはずっと同じ。「皆さん(373)のおかげ」という感謝を込めて。

 自民党政調会長など要職を歴任し「緊張することも多かった」。支えは、同居している長女(25)の存在。「女子力が高く、前向き。私の精神安定剤」と信頼を寄せる。選挙戦では、おそろいのスニーカーを履くほど仲が良い。

 リラックス方法は料理。大好きなマーボー豆腐は、サンショウをしょうゆで炊いて辛さを加減する本格派だ。選挙前には福井の自宅を掃除して断捨離も実行、心の安定を手にした。

 「落下傘」から「福井のおっかさん」に。防衛相を辞任して思う。「困難、試練を乗り越え、何があっても動じない『福井の肝っ玉おっかさん』になる」

 (山本洋児)

 【公約】北朝鮮の脅威が懸念される状況で、日本の平和と安全な暮らしを守るために全力を尽くします。福井の農業、林業、水産業もしっかりと守り、福井のすばらしい技術を生かした産業育成、観光など福井の魅力を豊かさにつなげるよう努力します。伝統と創造の精神で、福井、日本の持続的発展に尽力し、道義大国を目指し続けます。

◆娘を肩車、気分転換 鈴木宏治さん(43)希新

 十年近く県議を務めた後、国政に挑戦を始めて四度目の戦い。おおさか維新の会から比例代表で立候補した昨年の参院選で敗れた際は「いったん政治の道から退く」と語ったが、追い求めてきた政権交代可能な二大政党制を実現する好機に立ち上がった。

 参院選後、半年ほど病床の母親に付き添った。亡くなる二日ほど前、どんな言葉をかけようか悩んだ末に出たのは「もう一回頑張るから」。母の死後、今春から維新前職の秘書となり、政治の世界に舞い戻った。妻の綾菜さん(33)は福井市議。週末を中心に家庭で朝食や洗濯を担う。三歳の娘にはなかなか会えないが、娘が喜ぶ肩車をする時間が気分転換という。

 県議を辞めて「金銭的には相当苦労した」。それでも山村などを回って地方の厳しさを実感でき、落選も「自分の財産になった」と語る。

 (中崎裕)

 【公約】(1)消費税増税を凍結、地方にある企業・個人の減税

(2)嶺南地方をエネルギー特区とし、天然ガスや再生エネルギーを集約

(3)議員報酬や定数の削減

(4)憲法の平和主義は維持、地方分権を明記し参政権を義務化(5)労働者保護ルールの堅持と最低賃金の引き上げ

(6)大阪府と連携し北陸新幹線の大阪早期開業を実現

(7)もうかる農業政策に転換

主な政党の公約

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