福井
2017年10月9日 紙面から
十日公示の衆院選で、福井2区は三人が立候補すると見込まれている。嶺南地方を含む選挙区で北陸新幹線の大阪延伸、原発への賛否なども論争テーマとなりそうだ。各候補予定者が考えている訴えを紹介する。 (衆院勢力順)
−選挙戦で訴えていきたいことは。
「人口減少時代に、厳しくなっていく地方をどうやって活性化させていくか。地方創生と言われているが、なかなかうまくいっていない。一番の大きな課題は北陸新幹線。小浜から新大阪までを一日も早く開通させて、交流人口を増やしていく。開通に必要な二兆一千億円という財源をつくるのも私の仕事。地元の大事な産業の一つである原発についても不透明感が漂っている。明確化していくことが大事だ」
−原発を巡っては他の立候補予定者と立場が違う。
「相手は関係ない。再生可能エネルギーを開発していく必要もあるが、限度はある。ベースロード電源として、原子力は一定の割合を保っていかないといけない。再稼働、廃炉はもとより、リプレース(建て替え)、新増設も視野に入れた議論をそろそろ始めないと、将来の日本の電力が危惧される」
−2区では自民党の公認争いが起きた。
「必ずしももめたとは思っていない。一致結束して戦っていける。公認してもらった重みをかみしめ、絶対に負けられない選挙だと思っている」
−希望の党からの出馬は追い風になるか。
「プラスだと思っている。民主、民進党時代には、安全保障政策で右から左まで意見の溝が大きかった。小池百合子さん(東京都知事)の下に現実保守路線の人が集まった希望の党なら、防衛能力の向上を任せられるかな、という国民の期待感が生まれたと思う」
−自民党の補完勢力とも言われることもある。違いをどう訴えるか。
「一番違うのは、税金の使い方を国民目線に変えること。消費税を上げて年金を減らすような本末転倒なことをやり、森友、加計学園問題のように、お友達に税金を流すのではなく、国民の年金、教育、社会保障サービスといったところに税金の使い道を変えていく」
−原発の再稼働は。
「規制委員会の安全審査に合格し、地元の首長、議会、知事の同意を得て、避難計画の策定が終了したものに関しては、再稼働を容認していいと思う」
−希望の党は二〇三〇年までに原発ゼロを目指す。
「福井は最大の立地自治体。減らす前に、雇用と財源を増やさなければいけない。成長産業をつくる必要がある」
−突然の解散総選挙をどう戦うか。
「(森友、加計学園問題の)疑惑究明が進まないままの解散であり許せない。北朝鮮のミサイル問題を強調しているが、この問題については、まず日本政府が国連の核兵器禁止条約に参加した上で経済制裁と外交交渉の表裏一体で進めていくしかない。原発再稼働や消費税増税など北朝鮮問題に隠れて論じられない点がたくさんある。生活者の視点に立ち反対したい」
−いみじくも、大飯原発再稼働の前になった。脱原発のチャンスと考えるか。
「原発立地問題をきっかけに旧大飯町議となった。巡り合わせかな、と思っている。立地から長くたち、住民生活に原発が入り込んで不安の声を上げづらくなっている。代弁といってはおこがましいが、使用済み核燃料の処分問題など、進展を追及していく」
−町議会議員の経験を国政にどう生かすか。
「行政にチェックを入れるのが仕事であることは変わらない。方向性はいいけどここは至らない、などと町の施策にちゃんと注文を付けてきた。七期二十八年の中で、賛成討論も二回ほどやった。国会を活性化させたい」