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福井

野田氏、1区出馬断念 一本化優先「若い人に道譲る」

2017年10月6日 紙面から

 二十二日投開票の衆院選で、希望の党から福井1区の公認が得られなかった民進党県連副代表の野田富久氏(70)が五日、立候補を見送る意向を表明した。

 野田氏は記者会見で、希望の党が1区で元県議の鈴木宏治氏(43)を公認したことに触れ「若い人に道を譲ろうと最終的に判断した」と説明。党に対する信頼を失う結果になったとして、県連副代表と選対委員長を辞任する考えも示した。

 希望の党が四日に発表した二次公認に野田氏が含まれなかったため、県連は五日午前から緊急幹事会を開いて対応を協議。結果を踏まえ、野田氏らが会見に臨んだ。同席した県連の山本正雄代表は「1区で稲田(朋美)さんに勝つために連合や関係者と話し、一本化を進めるのが大きな方向だった」と説明した。

 鈴木氏への支援について山本代表は、鈴木氏から政策が示されれば、県連として検討する方針を示した。ただ、鈴木氏が民主党を離党して二〇一二年の衆院選に日本維新の会から出馬し、その後も維新系の候補として国政選挙に挑戦した経緯があるため「党員、サポーターらに抵抗感がある」とも指摘した。

 (鈴木啓太、中崎裕)

◆一時は立憲民主から…

 衆院選立候補を取りやめると表明した民進党の野田富久氏。五日昼すぎまでは立憲民主党から出馬する考えだったが、支援を受ける自治労の役員から希望の党と立憲民主が争うことで「結果が惨めなものになるのは本人にも組織にもしのびない」と言われたことが決断の決め手になったと明かし涙を見せた。

 擁立作業が難航する中、県連選対委員長として自ら立つことを決意。希望とは憲法などに対する姿勢に隔たりを感じていたが、政権交代という党にとっての大義のため「多少のことは飲み込もう」と、民進党本部を通じて公認申請をしていた。

 だが、二次公認が発表される前日に考えは揺らいだ。希望が候補者に求めた政策協定書という「踏み絵」を目にし「公認をいただいても署名はできないと腹を固めた」。外国人への地方参政権に反対するという内容が決定的だった。一方で、希望の方針に反発した枝野幸男代表代行が設立した立憲民主には「民進と理念は変わっていない」と感じたというが、最後は候補者の一本化を望む連合福井など支援組織の意向を受け入れた。

 (鈴木啓太)

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