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福井

あなたが考える争点は? 有権者に聞く

2017年10月4日 紙面から

 十日公示の衆院選まで一週間を切った。新党の立ち上げや各党の合流・分裂の動きが相次ぎ、政策論争の行方が不透明な中、各地で聞いてみた。「あなたが考える衆院選の争点は何ですか」

 三日夕、JR福井駅西口のハピテラスに来ていた勝山市鹿谷町本郷の会社員山内佳佑さん(28)は、争点を「安全保障」と即答。「北朝鮮やイラク、シリアの問題にどう対応していくか。それが問われている」と続けた。

 敦賀市の研究施設で開かれた原発関連のセミナーに来ていた福井大大学院工学研究科博士課程一年、浅原章さん(25)は憲法改正を挙げた。「北朝鮮情勢が不安定であり、安全保障関係も気になる。そうなると九条改正も絡んでくる」と説明した。

 憲法改正の是非は国論を二分するテーマ。浅原さんは「野党に落ち着きがなくて信頼できない。早く態勢が固まってくれないと、どの観点で候補者を選べばいいのかも分からない」と漏らす。

 福井駅前のバス停から帰宅途中だった福井市の会社員宮本ゆきさん(24)にとって、争点は消費税率の引き上げの是非だ。宮本さんは「消費税が上がることに反対。消費者の買い控えが生じて経済が回らなくなり、景気が悪くなるのではないか」と心配する。

 大野市中丁の僧侶藤原誠永さん(82)は、少子高齢化対策が争点と考える。昨年十月現在の市内の高齢化率は34・8%。勝山市と並んで県内の市で最も高かった。「産業に乏しく、人口減少が進む地方は疲弊し、観光産業などで生き残りを図っている。社会保障費が増大する中で、税収をいかに増やしていくのかが課題」と話した。

 「争点を見いだせない」との困惑も。坂井市内のスーパーに買い物に来た女性(68)は「自民党はアベノミクスを加速させると言うが(恩恵の)実感はない。野党が森友・加計学園問題を説明すべきだというのはもっともだが、議論がかみ合わない」。勝山市の団体職員の男性(62)も「争点や政策の違いが見えにくい」と嘆いた。

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