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福井

看板業者らフル稼働 異例の超短期決戦

2017年10月3日 紙面から

 十日公示の衆院選に向けて、県内選挙関係の各事業者が準備に追われている。安倍晋三首相の解散意向表明から公示まで、二週間余りの「超短期決戦」。時間と人手に限りがある中、何とか準備を間に合わせようと、関係者らが駆け回っている。

 「時間がない。正直、間に合うか不安な気持ちもあるが…」。市長選(十五日告示)の時期に衆院選が重なった越前市の看板製造業「かなづや」の担当者は、困惑した様子で話した。

 同社は、候補者ポスターの掲示板の組み立てや設置を請け負っている。当初は越前市長選の約二百四十カ所の予定だった。越前、鯖江、南越前の二市一町の衆院選分が加わり、設置場所の総数は三倍の約七百二十カ所に増えた。

 同社によると、通常は各自治体選管の注文から、掲示板を組み立てて設置するまで一カ月ほどかかる。今回は二週間ほどしか準備期間がないため、昨年夏の参院選に比べて作業員を三倍に増やした。効率的に大量の掲示板を設置するために、作業や設置の手順も見直しているという。担当者は「従業員は朝早くに出て、暗くなる直前まで帰って来ない。休み返上で頑張っており、一刻も早く設置したい」と話す。

 福井市のポスター掲示板の設置などを請け負う市内の看板業者も「大慌てで準備している。社員総出で、急きょアルバイトも雇った」と慌ただしい口調で話した。

 レンタル業者も大忙しだ。福井市の業者には、九月下旬から立候補予定者の事務所にテーブルや椅子の搬入を求める依頼が相次いだ。公示日が近づくにつれて、選挙戦で使う車やスピーカーの注文も増えてきた。例年、十月十日前後はイベントが多く、業者にとっては繁忙期。担当者は「忙しさに追い打ちを掛けるように、選挙が決まった。今週がヤマ場。やるしかない」と気を引き締めた。

 (山口育江)

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