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福井

啓発イベント「時間との闘い」 18歳選挙権、初の総選挙

2017年10月2日 紙面から

 選挙権年齢が十八歳以上に拡大されてから、初めての衆院選が十日に公示される。急に選挙が決まった影響で、啓発イベントや準備に充てられる時間は限られ、二十二日の投開票日までに若者の関心を高められるかが課題だ。政党や立候補予定者と同じように、県内の選管も「時間との闘い」を迫られている。

 「若者への啓発は以前から課題だったので、少しずつ準備を進めてきたが…」「やれることはやりたい」。準備に追われる福井市選管の担当者たちは、戸惑いながらも気を引き締める。

 市選管によると、福井大、福井工大に設ける期日前投票所の立会人と投票管理者は、初めて大学生が務める予定という。六月に募集を始め、十二人が登録を済ませた。若者同士で投票を呼び掛け合い、気軽に足を運んでもらう狙いがある。

 ただ、担当者の一人は「急に選挙が決まり、授業と重なる学生もいて、活動できる人数は分からない。何とかなると思うが…」と困惑を隠せない様子だ。

 市選管は七日ごろには、十八〜二十二歳の有権者約一万二千五百人に、投票を呼び掛けるメッセージカードを発送する。昨年夏の参院選では十八、十九歳のみだったが、若者の投票率アップのために対象年齢を広げたという。

 選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられた後、初の国政選挙となった昨年夏の参院選で、県内の十八、十九歳の有権者は約一万五千人だった。投票率は42・19%で、県全体の平均56・50%を大きく下回った。県選管は「県外の大学に通う学生が投票していないのが一因ではないか」とみている。

 今回の衆院選では、投開票日翌日の二十三日までに十八歳の誕生日を迎える人が投票できる。県選管は若者向けの啓発活動の一環として、十四日には県立大の大学祭に出向き投票を呼び掛ける予定だ。若い家族連れをターゲットに、商業施設での活動も計画している。

 県選管の担当者は「休み返上で一丸となって準備を進めているが、時間が足りず、忙しい」と打ち明けた上で、「若い人たちに必ず投票してほしい」と改めて呼び掛けた。

 (片岡典子、籔下千晶)

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