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福井

県内4野党の共闘は困難 民進、希望の党合流 

2017年9月30日 紙面から

 衆院選で希望の党に合流することを決めた民進党の判断が、県内選挙区での野党共闘の枠組みにも大きな影響を及ぼしている。昨年七月の参院選福井選挙区で初めて実現した民主(現民進)、共産、社民と政治団体緑の党の四野党共闘は「再現困難」な状況だ。

 「共産党はたぶん受けてもらえないだろう」。民進党県連の山本正雄代表は二十九日の会見で厳しい表情を見せた。野田富久氏を民進党県連で擁立しながらも、希望の党の公認を目指す。「改革保守」を掲げて船出した希望の党は、共産党の政治思想と相いれない。

 県内四野党は昨年秋から月一回ほどのペースで会合を持ってきた。次の衆院選を視野に互いの関係を温めるためだった。だが、中央での野党再編で事情は急変した。

 共産党県委員会の南秀一委員長は「希望の党は自民党の補完勢力。共闘できる相手じゃない」と突き放す。昨年の参院選では候補予定者を下ろして、四野党の統一候補を支援した。「今回は1、2区とも既に立てている候補で行く。共闘こそ安倍政権を倒す最大の力だと、二年ほどやってきた。裏切られた」と怒りは民進党に向く。

 一方、社民党県連の龍田清成代表も「四野党の連携は難しい」と話す。希望の党代表の小池百合子・東京都知事は、民進党内の旧社会党出身者について「そもそも(希望の党に)来られないんじゃないか」と発言しており、良い感情はない。龍田代表は「民進が希望の党になれば、もう民進ではない」と語る一方、「県内四野党で早急に会議を持つべきだ」とも話す。特に民進党と長年続けてきた協力関係を断つことには抵抗がある。

 四野党は参院選の時、安保法制廃止を旗印にした市民組織「ピースふくい」に参加する形で手を結んだ。屋敷紘美共同代表は「希望の党は『改憲』『(リアルな)安全保障』を掲げていて、『憲法を守る』『戦争法反対』と訴える私たちとは考えが違う」と話す。候補者個人への支援も含め、組織内で対応を検討していく。

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