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福井

県連選対委員長自ら… 民進の野田県議、1区出馬へ 

2017年9月30日 紙面から

 十月十日公示、二十二日投開票の衆院選に向け、民進党県連副代表の野田富久県議(70)が二十九日、記者会見し、党を離党して小池百合子東京都知事が率いる希望の党から、福井1区の候補として出馬する意向を表明した。県連は同日、臨時の幹事会を開き、野田氏の離党と、党本部を通じて希望の党に公認申請することを了承した。

 野田氏は福井大工学部を中退後、民間企業を経て福井市議を三期務め、現在は県議六期目。県連選対委員長も務め、候補者の擁立作業で中心的役割を担ってきたが、擁立が難航する中で県連内の要請を受けて自ら出馬することを決断した。

 会見で野田氏は「自民の一強多弱という状況下で、安倍政権にこれ以上の暴走を許して良いのか。大きな政治の流れを変えるチャンスで、不戦敗はあり得ないと腹を固めた」と出馬を決意した理由を説明し、自民前職の稲田朋美氏(58)との対決姿勢を鮮明にした。

 野田氏は旧社会党出身だが、希望の党との憲法に対する姿勢の隔たりに関して「問題の投げ掛けには一定の理解をしている」と話した。その上で「三十五年間、地方議員をさせてもらい、地域の課題は把握している。地方分権と言われる中で、人口減少に対応する政治が必要だ」と語った。

 福井1区には、ほかに共産党新人の金元幸枝氏(59)も出馬を予定している。公選法の規定により野田氏は立候補届が受理された段階で県議を自動失職する。欠員に伴う補選は行われない。

◆最後のカード「重い決断」

 民進党県連は、福井1区を地盤とする元防衛相の稲田朋美氏(58)の対抗馬が決まらない中、最後のカードとして擁立作業を担うベテラン県議、野田富久氏(70)の擁立を決めた。

 二十九日に福井市の県教育センターで開かれた民進党県連の緊急幹事会。冒頭で山本正雄県連代表は「1区は何としても、元防衛相との戦いで候補者を出さなくてはならないということで野田県議にお願いし、重い決断をしてもらった」と力を込めた。

 民進党は福井2区では早々に候補が決まったものの、1区の擁立作業は難航。三人の候補が浮上していたが、いずれも今月下旬になって辞退するなどして白紙に戻った。

 二十七日に開いた記者会見で「ぎりぎりの状況なので、一両日中に候補者を擁立したい」と苦しげに語っていた野田氏。突然の解散で擁立が間に合わない中、「大きな政治の流れを変えるチャンス」を逃せないと、周囲の要請に応じ自ら出馬することを決断した。

 2区で出馬を予定する斉木武志氏(43)とともに希望の党から公認されれば、新党と自民党の全面対決が県内でも繰り広げられることになる。

◆斉木氏離党了承 県連幹事会

 民進党県連は二十九日に福井市内で開いた幹事会で、福井2区で立候補予定の斉木武志氏(43)の離党を了承した。県連によると、希望の党に公認申請するために、民進党本部からの通達に従ったという。

 斉木氏は同日、敦賀市内で記者団に「(両党間で)調整が始まっている段階。私はそれを追認している」と話した。

 (中崎裕)

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