中部
2017年10月23日 紙面から
列島が台風21号に巻き込まれる中で行われた異例の衆院選。愛知県西尾市や三重県鳥羽、伊勢市では海が荒れて投票箱が運搬できないなどの影響があり、開票結果は二十三日午前になっても確定しなかった。当落線上の候補は「信じるしかない」とやきもき。比例東海ブロックでは、自民党の残り一枠をめぐり、愛知の二陣営がかたずをのんで結果を待っている。
台風による荒天で離島から投票箱が回収できず、開票を見合わせている愛知県西尾市。投票から一夜明けた二十三日、市選管は県を通じて、自衛隊にヘリコプターの派遣要請をした。
島の周辺は台風の影響で波が高いため、市選管は船での搬送は難しいと判断。ただ、強風のため正午時点でヘリの飛行にめどが立たず、選管は高波に対応できる民間の船で同県南知多町の師崎港に投票箱を運び、陸路で西尾市へ運ぶ案の検討を始めた。
開票は当初、午後二時からを予定していたが、搬送の遅れで午後六時十五分開始に延期。選管の担当者は「比例復活を待つ候補者もいる。できるだけ早く結果を報告したい」と話した。
その西尾市を含む愛知12区では二十二日、岡崎市の投票分だけが開票された。選挙区では重徳和彦さん(無前)の当選が確実だが、比例復活を決める惜敗率は青山周平さん(自前)が約69%。比例東海では愛知2区(名古屋市千種区など)の田畑毅さん(自前)が惜敗率71・9%と拮抗(きっこう)し、西尾市の票数が自民の最後の一枠を決める。
青山さんは二十二日夜、岡崎市の事務所に姿を見せず、支持者らと結果を待った。二十三日午前も「西尾市での結果を信じるしかない」と自宅で待機。開票に合わせて支援者らが事務所に集まり、結果が出次第、本人も駆け付ける予定だ。
一方、田畑さんは二十三日午前、選挙戦を支えた支援団体へのあいさつ回りに追われた。二十二日夜は帰宅後も比例復活が頭をよぎり、眠れなかったという。
比例東京で議席を持っていたが、党愛知県連の公募に応募し、三月に愛知2区の公認候補が決定。選挙区では、古川元久さん(希前)に約二万八千票の差で敗れた。二日越しで当落結果を待つこととなったが、比例東京でも一度落選した後に繰り上げ当選しており、「珍しいケースには慣れてます」。睡眠不足ながら「当選できればぐっすり眠れるでしょう」と期待して開票を待つ。
台風は三重県内の開票作業にも影響。道路や開票所の周辺が冠水し、二十二日に開票できなかった鳥羽、伊勢両市では、二十三日午前八時半から開票が始まった。鳥羽市では答志島など四つの離島から投票箱を運び込めない心配から、投票日を一日早めていた。