希望の党代表の小池百合子東京都知事が五日、民進党の前原誠司代表との会談で衆院選に立候補しないとあらためて明言。政権交代を目指す勢いが衰えることを心配する声もあるが、希望の公認を得た中部地方の立候補予定者の多くは、かえって出馬した場合の悪影響を懸念。「東京からの風は当てにしていない」「自分の選挙をするだけ」と冷静に受け止める。

　「衆院選に出馬すれば、都知事を投げ出したと批判される。影響を見極めて対応するしかない」と話すのは愛知１０区の新人安井美沙子さん。長野５区の新人中嶋康介さんも「東京五輪も控え、都知事を辞めると逆に人気がなくなる」と不出馬を歓迎。「築地問題で都知事になったのに解決していない。衆院選に出た方が批判材料になる」とみる。長野３区の前職井出庸生さんも「立候補したら都政投げ出し批判が起こるだろう」。

　「都知事に専念するのも大切なこと。評価したい」と岐阜４区の前職今井雅人さんは理解を示し、「党の風を期待して選挙するつもりはなく、自分の戦いをするだけ」と話す。この日、愛知県豊橋市で事務所開きをした愛知１５区の新人関健一郎さんも「本当は首相候補を明確にして戦うべきだと思うが、出馬しなくても愛知に希望の風は吹いていない。淡々と政策を訴えるだけ」と語る。

　小池代表は、希望の首相候補を誰にするか議論する考えを示したが、安井さんは「やっぱり首相候補が見つからないから、責任を取って私が出る」と言い出す可能性もあるとみており、「ぎりぎりのタイミングを狙っているのでは」と土壇場での出馬表明に期待する。