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非「希望」の動き、東海で相次ぐ 民進前職

2017年10月3日 紙面から

 衆院選前に野党の再編が進む中、愛知、三重県では3日、3人の民進前職が相次いで無所属や新党「立憲民主党」からの立候補を表明した。希望の党の小池百合子代表による「選別」に反発する「非希望」の動きが表面化。こうした選挙区では野党共闘を進めたい共産などが候補者擁立を取りやめる可能性もある。

 三重1区の松田直久氏は三日、津市の近鉄津新町駅前での街頭演説で、「党を持たずに今回の選挙に臨む覚悟を決めた」と希望の党に合流せず、無所属での立候補を明らかにした。

 その後、三重県庁で開いた会見で、松田氏は当初、希望の公認リストに自身が入っていたことを明らかにした。民進の希望への合流には理解を示しつつ、「希望とは価値観もやり方も違う。一つも迷わず気持ち良く戦える道を考えた」と説明した。

 希望側がリベラル系の民進前職らを公認しないとしたことに、松田氏は「政権を狙う党であれば、いろいろな考え方の人がいる組織であっていい」と指摘。希望への合流に否定的な支援者もいたことから、「政治家としての生き方と照らし合わせて無所属出馬を決めた」と話した。

 また、衆院解散直後から希望の党からの出馬を明言していた三重2区の中川正春元文部科学相は三重県庁で会見し、一転して無所属での出馬を表明した。「安保法制、あれは憲法違反。そこはこだわってやってきた」と述べ、安倍政権が推し進めた安保法制に賛成する希望の政策を受け入れられないことを最大の理由に挙げた。

 中川氏は、前夜に届いた希望と候補者の政策協定書に書かれた政策を読んで、無所属出馬を決断したと説明。当初は希望に野党が結集することに期待感を持ったものの、「(候補者決定の)過程に排他主義があった。希望の党が醸し出す体質に違和感を持った」と、安保政策や憲法を「踏み絵」にする小池百合子代表の手法を批判した。

 無所属での選挙に向けては、同じ決断をした松田氏や3区の岡田克也氏とも連携する考えを強調。「安倍政権を倒すという思いはこれまでと同じ。今の自民党のままでの憲法改正は脅威だ」と語った。

 一方、愛知3区の近藤昭一元環境副大臣は三日朝、名古屋市天白区の地下鉄鳴子北駅前に立ち、「希望の党には行きません。立憲主義、民主主義を守るために枝野さんと一緒に頑張りたい」と、枝野幸男元官房長官が立ち上げた「立憲民主党」に加わる意向を示した。

 当初は合流を表明した希望の党に対して、「リベラル勢力を壊すかのような選別の仕方をしている。前原さん(前原誠司民進党代表)が最初に了解したことと違う」と批判した。「安倍政権では、憲法で保障された国民の権利が奪われている。民主主義を守る政党が必要だ」と強調した。

 (衆院選取材班)

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