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衆院選で割食う催し 名古屋の区民まつり、伊賀のだんじり行事

2017年9月30日 紙面から

 突然の衆院解散で投開票日が十月二十二日となり、各地の秋の催しに影響が出ている。名古屋市などでは恒例行事が取りやめとなり、三重県伊賀市では国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されただんじり行事の運営を優先させ、投票所を変更させることになった。

 「楽しみにしている人も多いし、せっかく準備してきたのに」。名古屋市東区で長年、区民まつりの運営に携わってきた鬼頭正男さん(91)は残念がる。

 東区は二十九日に中止を決定。各所のポスターに、中止を知らせるチラシを貼ったり、ホームページの内容を更新したりした。六百万円の予算で準備を進めてきたが、ポスター製作費や発注済みの事業委託費など二百万円以上の支出は無駄になる。

 天白区の区民まつりも中止が決定。まつりの運営と選挙事務が重なれば職員数が足りなくなるためで、中止理由を区担当者は「投開票作業のミスは許されないから」と話す。愛知県津島市でも市文化会館を投開票所として使うため、芸能交流会が中止になった。

 一方、毎年十月二十三〜二十五日に行われてきた伊賀市の「上野天神祭のダンジリ行事」。ユネスコ遺産登録を機に、今年は観光客が来やすいよう最終日の本祭を日曜にして、日程を二十〜二十二日に変えたのが「裏目」に出た。

 選挙のたびに投票所としていた上野西部地区市民センターが関係者の控室となるため使えず、期日前投票の会場だったハイトピア伊賀は、祭りの交通規制で車の乗り入れができない。市選管はいずれも代わりの場所を探している。例年、祭りにボランティア参加する職員も多いが、二十二日は選挙事務を担う三百人以上の職員が必要。「期待している観客増にも影響するかも」との声も出ている。

 (衆院選取材班)

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