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中部

解散突風、ドタバタ 中部の自治体

2017年9月22日 朝刊

◆トリプル選…「投票箱足りない」

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 突然の衆院解散・総選挙の見通しとなったことを受け、中部地方の選管や、ポスター掲示板を製作する業者が急ピッチで作業を進めている。投開票日になると予想される十月二十二日まで、こちらもわずか一カ月の短期決戦。首長選や議員選との「トリプル選」になる自治体もあり、慌ただしさを増している。

 十月二十二日投開票の町長選、町議補選を抱える三重県紀北町の選管職員は「投開票日は本当に人繰りが大変」と話す。衆院選とのトリプルなら、三十カ所の投票所に配置する人員を増員しなくてはならず「職員二百人が総動員になるだろう」と見込む。

 こうした焦りは大都市でも同じ。名古屋市の担当者は予算編成や資材発注、人員配備の調整などに追われながら「徐々に解散風が吹くのなら事務作業にも余裕が出るのだが…。とにかく時間が足りない」。投票所に使う公共施設に別の予約が既に入っている場合、交渉して空けてもらうが、無理なら別の場所を探す必要がある。「投票日まで怒濤(どとう)の毎日になりそうです」

 トリプル選の可能性がある愛知県大口町の担当者は「もともとダブル選に向けて準備をしていた。衆院選への関心が高まれば投票率アップが期待できる」。だが、トリプル選なら投票箱が足りなくなる。「同じ箱を町長選と町議補選用に使い、別の箱を衆院選と、同日実施の最高裁裁判官の国民審査に使うしかない。開票でミスがないように、慎重にしないと」と話す。

 準備期間が短いため、業者も大わらわだ。

 掲示板づくりなどを手掛ける中部選挙設備(名古屋市中村区)の星野和厚(かずひろ)社長(73)は「木材集めや印刷物の発注で大騒ぎ。お手上げ状態の業者もあるようで、普段以上に仕事が回ってくる」。選挙掲示板の全国シェア(市場占有率)三割という丸善グループ(岐阜市)の大神田進也・営業本部長は「日程的には既に厳しい。納期や数量によっては対応できない場合がある」と話した。

町長選、町議補選に使用する投票箱を点検する選管職員。衆院選の日程によってはトリプル選挙になる可能性も出てきた=21日、愛知県大口町役場で

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