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愛知

<中部6県 立候補者アンケート> 11区

2017年10月17日 紙面から

 中部六県の衆院選立候補者を対象にしたアンケートで、愛知11区(旧稲武町区域を除く豊田市、みよし市)の本多信弘さん(41)=共新、古本伸一郎さん(52)=希前、八木哲也さん(70)=自前=は、選挙の争点にどう答えたか。街頭演説の内容なども交えて、三人の主張を紹介する。=上から届け出順

■消費税の増税

 消費税では、税率10%への引き上げ自体に本多さんは反対。「ずっと増税すべきではない。財源確保は大企業に応分の負担を求める」とする。

 注目されるのが古本さん。希望が増税凍結を公約とする中、旧民主時代の自公との三党合意に基づき、増税に賛成の立場を主張する。安倍首相が掲げる「教育や保育の無償化に使う」ことには「三党合意に入っていない。介護の充実の必要もあり、使い道は議論していくべきだ」と、各党による議論の必要性を訴える。

 八木さんは増税に賛成した上で「現役世代が不安に感じている子育て・介護の問題に政策資源を投入する全世代型社会保障への転換が必要」とした。

■アベノミクス

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」に、本多さんは、アベノミクスの効果は「下請け企業や労働者に波及しない。賃金も上がらず消費も増えず、貧困と格差が拡大した」として「失敗だ」との考えだ。

 古本さんは、株価や為替の安定には一定の理解を示しつつも、限界を指摘して「どちらかと言えば支持しない」としている。

 「支持する」立場の八木さんは「少子高齢化という不安を打破するため、さらに加速させる」と答えた。選挙戦では「大企業の利益や給料は上がったが、中小企業や小規模事業者までその効果が届いているかというと、必ずしもそうではない。まだ道半ばだ」と訴える。

■憲法九条改憲

 憲法九条には、本多さん、古本さんが「変えるべきではない」と回答。安倍首相が示す九条への自衛隊明記の考えに、本多さんは「米国の起こす戦争に巻き込まれる」と答え、選挙戦でも「海外での無制限の武力行使につながる」との懸念を強調する。

 古本さんは、集団的自衛権の行使を「解釈改憲で行う手法に反対」と説明。「地球の裏側まで自衛隊が出て他国に加担することに世論が反対する今、九条改憲は不要」との認識を示す。

 「変えるべきだ」との立場の八木さんは「国民の幅広い理解を得て、衆参両院の憲法審査会で議論を深め各党とも連携して目指す」としている。

■原発の再稼働

 安倍政権が進める原発の再稼働では、三人の意見は分かれた。「二〇三〇年までにゼロ」とする本多さんは「核のごみの処理技術はできていない。地震国日本に原発はいらない。自然エネルギーを増やす」との考え。

 「三〇年代にゼロ」を支持する古本さんは「廃炉技術を育てつつ原発ゼロの社会をつくるのが現実的。政治の意志として論理的な道筋を示す責任がある」と回答した。

 一方、原発を、エネルギー需給の安定に寄与するベースロード電源と位置付ける八木さんは「新規制基準に適合すると認められた場合には、関係者の理解と協力を得つつ再稼働する」と肯定する。

■北朝鮮問題

 北朝鮮によるミサイル発射や核実験に対して、本多さんは「断固反対する」とした上で「経済制裁強化と一体で、対話による解決に尽くす」と訴える。

 「対話と圧力の両方で臨むべきだ」との考えの古本さん。「拉致被害者の問題はどこに行ったのか。中国とロシアが本気で経済制裁に動かない限り圧力は実効があがらない」と指摘する。

 八木さんは「北朝鮮は数々の国際約束をほごにしている」と批判。「今は対話のための対話ではなく、圧力を最大限に強化し、政策変更を迫るべきだ」と力を込める。

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