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愛知

<選挙区序盤情勢>(上)

2017年10月13日 紙面から

 十日に公示された衆院選で、共同通信社の電話世論調査結果に、本紙のこれまでの取材を加味した県内十五選挙区の序盤情勢を二回に分けて紹介する。二十二日の投票に向け、どの選挙区でも与野党の激戦が繰り広げられている。

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◆1区(名古屋市東・北・西・中区) 支持固め熊田リード

 県議から転身し、かつて民主の牙城だった1区を二回連続で奪取した熊田がリードする。自民と、推薦を受ける公明の両支持層をほぼ固めた。佐藤と吉田は横一線で追い上げる。佐藤は二〇〇九年衆院選は民主から当選。秘書として仕えた河村たかし市長の全面支援を受け、市長票の取り込みを図る。吉田は元民主の医師。やや知名度不足だが、新党の勢いと、野党共闘により、共産からの支持にも期待できる。

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◆2区(名古屋市千種・守山・名東区) 盤石体制 古川優位に

 元大蔵官僚で、六連勝中の古川が優位。築き上げた後援会組織は盤石。街頭では新党から出馬の経緯を丁寧に説明している。三十代以上から満遍なく支持を得ている。日本銀行出身の田畑は公募に応じ、比例東京ブロックから転身。業界団体や自民、公明の地方議員らが頼り。十代、二十代から支持を得ている。自公支持層はほぼ固めたが、知名度の浸透が鍵。酒井は二〇一五年名古屋市議選に続く挑戦。

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◆3区(名古屋市昭和・緑・天白区) 小差で近藤追う池田

 元環境副大臣で、原発ゼロの会共同代表の近藤がリード。街頭では、新党から急きょ出馬することに理解を求めて回る。野党共闘が実現した共産に加え、公明支持層にも食い込んでいる。小差で追い掛ける池田は元日本青年会議所(JC)会頭。比較的、若い層から支持を集める一方で、公明支持層に広がっていない。余語は減税日本の名古屋市議から転身。河村たかし市長と並んで街頭に立つ。

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◆4区(名古屋市瑞穂・熱田・港・南区) 工藤に幅広い支持層

 元名古屋市議長を父に持つ工藤がリード。医師会や特定郵便局長会など、党の有力支持団体から手厚い支援を受ける。幅広い年代から支持を集め、自民、公明支持層を固めつつある。追い掛ける牧は、過去三回の衆院選はすべて所属政党を替えての出馬。希望に移るまで進んでいた野党共闘は立ち消えたが、維新が候補の体調不良で出馬を見送った効果は大きい。急な出馬の西田は六度目の選挙挑戦。

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◆5区(名古屋市中村・中川区、清須・北名古屋市、豊山町) 労組まとめ赤松先行

 赤松が、連合など労組票を手堅くまとめ、先行する。希望への合流をいち早く見送り、護憲を掲げるリベラル系グループを率いて新党結成に奔走。旧民進票に加え、共闘する共産支持層からも票を集める。小差で追う神田は税理士で、集会や街頭演説でアベノミクスの成果を強調する。自民支持層の七割を固めた。稲沢市議を六期務めた野々部だが、5区の出馬は初。河村たかし名古屋市長の支援を受ける。

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◆6区(瀬戸市の北西部、春日井・犬山・小牧市) 3人に水あける丹羽

 固い地盤を持つ丹羽が優位。演説では幼児教育の大切さ、安倍外交の実績を強調する。ほぼ全世代でほかの三人に大きく水をあける。森本は高校まで過ごした6区から二度目の挑戦。二大政党制の重要性を訴えるが、野党共闘の乱れもあり、序盤は支持に広がりがみられない。田上は反原発、反改憲を訴えるが、共産票固めだけでは厳しい。平山は、1区から自衛隊基地がある6区に急きょ変更。

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◆7区(瀬戸市の大部分、大府・尾張旭・豊明・日進・長久手市、東郷町) 一騎打ちはほぼ拮抗

 過去三回、激戦を繰り広げてきた二人が今回は一騎打ち。序盤はほぼ拮抗(きっこう)している。山尾は、待機児童問題で安倍政権に切り込んだ実績を強調。「中道リベラル」を掲げ、旧民進や、共産支持層を取り込んでいる。若年層からの支持が伸び悩んでいる。鈴木は、自民の政権運営能力や、自らが地元と国との橋渡し役となってきたことをアピール。少子高齢化や北朝鮮問題への対応を掲げ、自民、公明支持層は手堅く固めた。

 (衆院選取材班、文中敬称略)

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