• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

愛知

「自民一強、うぬぼれ」「未来守る自公連立」 愛知1区、第一声

2017年10月10日 紙面から

 安倍晋三首相の「国難突破解散」を受けて衆院選が十日公示された。短期間に新党が相次いで生まれ、混乱の中で迎えた異例の選挙戦。「安倍一強」政権の継続の是非とともに、憲法九条の改憲や原発のあり方も争点に浮上し、論戦は熱を帯びる。この国の将来のかたちが問われる選挙で、有権者はどう考え、誰を選ぶのか。激戦を象徴する中部地方の「花の1区」でも候補者たちが第一声を響かせた。

 愛知1区は、公明が推薦する自民前職に、連合愛知が推す立憲民主(立民)の元職、河村たかし名古屋市長が全面支援する希望元職が挑む。

 「北朝鮮のミサイルが飛んできているこの時期になぜ解散なのか。自民一強のうぬぼれだ」

 河村市長と登場した希望元職、佐藤夕子さんは午前十時すぎ、名古屋市東区の河村事務所前で、第一声を上げた。

 希望の党カラーの緑のシャツ姿。秋晴れの澄んだ空に「女・河村たかしと思って応援してください」と声を張り上げた。根強い市民人気を誇る市長を前面に出す選挙戦だ。

 市長にとって愛知1区は二〇〇五年まで五期連続当選した地盤。「名古屋の良い政治を広げないといかん。(市長選で)河村に票を入れてくれた皆さん、同じ気持ちでお願いします」と呼び掛けた。

 佐藤さんの第一声に先立つこと二十分。立民元職の吉田統彦(つねひこ)さんは名古屋市東区の事務所前で、「お友だち優遇の政治。安保法制は憲法違反。憲法九条改悪は国の根幹を破壊する」と安倍政権を批判した。

 〇九年衆院選に民主から比例代表で当選し、以降は愛知1区で連敗。希望の党から公認が得られず立民から出馬を決め、結果として共産、社民は立候補の予定を取り下げた。

 「愛知1区で中道の政治家は私しかいない」と吉田さん。駆けつけた連合愛知の大久保彰副会長もマイクを握り、「大義のない解散だが、安倍政権を変えるチャンス」と話した。

 野党側のドタバタを横目に、自民前職の熊田裕通さんは受けて立つ立場だ。

 名古屋・栄の事務所には自民の県議、市議に加え公明市議も。「子どもたちの未来を守り、間違いのない方向性を示していくのは、自公の連立政権しかできない」と第一声。公明を「友党」と強調し、「小選挙区は熊田、比例は公明を」と呼び掛けた。熊田さんは事務所を埋めた支持者らと「ガンバロー」の三唱後、選挙カーに乗り込んだ。

主な政党の公約

新聞購読のご案内