• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

愛知

政局悲哀、花の1区混迷

2017年10月4日 紙面から

写真

 十日公示の衆院選で、名古屋市中心部が選挙戦の舞台となる愛知1区(東区、北区、西区、中区)は、「減税日本」市議の元職、佐藤夕子氏が希望の党公認で出馬することが決まり、大混乱となっている。希望の公認を目指していた民進元職の吉田統彦(つねひこ)氏は三日、立憲民主党から出馬の意向を表明し「花の1区」は荒れ模様だ。

 「(希望の党が)佐藤さんを選んだのは、希望どころか絶望ですよ」

 名古屋市北区の事務所で記者会見した吉田氏は、憤りをあらわにした。

 吉田氏は二〇〇九年衆院選で、民主党の比例東海ブロックから出馬し、初当選。この選挙で愛知1区は民主公認だった佐藤氏が当選した。その後、佐藤氏が民主を離党したことに伴い、一二年衆院選で愛知1区にくら替えしたが落選し、浪人生活が続く。

 「悩みましたよ。この数日、ほとんど寝ていません」と吉田氏。立憲民主から誘いを受けていると明かし、「自分の保身とバッジほしさに右往左往する議員に愛想が尽きた」とも語った。

 佐藤氏は三日、希望の党カラーの緑色のスーツを着て、減税日本を率いる河村たかし市長と出馬会見に臨んだ。「私と吉田さんは反自民では同じだが、『希望の佐藤に』と言いながら戦っていく」と述べた。

 希望の党公認を巡るいざこざを横目に、自民前職の熊田裕通氏は「相手の出方は気になるが、戦い方は一緒。選挙は手を抜いた時点で負け。声を掛けられるだけ掛ける」と話した。

 共産新人の大野宙光(ひろみつ)氏は「立憲民主党は野党共闘の対象の一つ。話し合いながら、どういう形でやればいいか、県全体のことを考えて検討する」、社民党から立候補の意向を示している平山良平氏は「野党共闘の観点から1区での出馬は見送る」と話した。

 (梅田歳晴、安田功)

◆希望、12選挙区で公認発表

 希望の党は3日、県内12選挙区で公認候補を発表した。山尾志桜里氏が無所属で出馬する愛知7区、民進党の伴野豊氏と重徳和彦氏が出馬を予定する8、12区の計3選挙区は含まれていない。

 党は2次、3次公認もあるとしている。

主な政党の公約

新聞購読のご案内