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愛知

民進地方議員が困惑 培ったもの無にしてはいけない

2017年9月30日 紙面から

 小池百合子東京都知事が率いる希望の党に事実上合流することが決まった民進党。十月二十二日に投開票される総選挙に向け、立候補予定者たちが希望の党からの出馬に期待を寄せる中、選挙を下支えするはずだった地方議員たちは、立ち位置があいまいとなり、困惑を隠せない。

 「有権者には与野党一騎打ちの分かりやすい構図になって良かったと思う。ただ、われわれはどうやって戦えばいいのか」。党県連幹事長の塚本久県議が言う。

 民進は総選挙で誰も公認せず、立候補予定者は、希望の党に公認を申請することになった。だが、選挙戦での実動部隊となる県議や市町村議は当面、「民進」のままだ。

 塚本県議は「応援演説では、候補者を『民進党の○○』と紹介してしまいそうだ。自己紹介でも民進の名を出すべきか、悩ましい」と打ち明ける。

 県議団の控室では、支援者らから選挙対応の問い合わせ電話を受ける県議の姿が目立った。

 富田昭雄県議は「支援者から聞かれても、『私も驚いている』と答えるしかない。総選挙が終わったら、自分がどこの党員になっているのか」と話す。

 二〇一九年春には統一地方選を控える。朝倉浩一県議は「衆院選の候補者がどこの党から出ることになっても、応援演説は自分自身も見てもらう好機だと思って、精いっぱいやる」と語った。

 名古屋市議団の服部将也団長は「地域の支援者の疑問にしっかり答えないといけないが、私たち自身も分からないことが多い。民進議員として培ってきたものが無に帰してしまうようになるのはいけない」と話した。

 総選挙に向け、急ピッチで準備を進めていた党県連事務局は、作業をストップした。

 (谷悠己、梅田歳晴)

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