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愛知

減税、1区に佐藤氏擁立へ 「希望が公認見通し」

2017年9月30日 紙面から

 十月十日公示の衆院選で、河村たかし名古屋市長は地盤の愛知1区に、自ら代表を務める「減税日本」の市議で元衆院議員の佐藤夕子氏(54)を擁立する方針を固めた。三十日の減税日本の幹事会で正式決定する。小池百合子東京都知事が代表を務める「希望の党」の公認が得られる見通しという。

 愛知1区には河村市長が立候補に意欲を示す一方で、「減税の火を絶やしてはいけない」として、自ら出馬しない場合も想定して候補者擁立を検討してきた。減税日本と希望の党との間で調整を進めた結果、佐藤氏が希望の党の公認を得られる見通しとなり、既に申請を済ませた。

 一方、愛知1区以外で減税日本の候補者を擁立することは難しく、他の選挙区では希望の党公認候補を応援する方針。

 佐藤氏は名古屋市出身。河村氏の衆院議員時代の秘書や県議を務めた後、市長選に転出した河村氏の後継として二〇〇九年衆院選に民主党公認で出馬し、初当選した。だが、市議選で減税候補を応援するため離党し、一二年衆院選は日本未来の党公認で出馬も落選。一五年市議選で減税日本公認で東区選挙区から当選した。現在は減税日本の副代表。

 愛知1区には自民前職の熊田裕通氏(53)、民進元職の吉田統彦氏(42)、共産新人の大野宙光(ひろみつ)氏(54)らが出馬の意向を示している。吉田氏も希望の党に公認申請する方針で、混乱が広がる可能性もある。

◆河村氏 出馬を断念

 河村たかし名古屋市長は二十九日、報道陣の取材に「今回は衆院選に出ることはあきらめまして、名古屋の皆さんのためにご奉公させていただきます」と述べ、立候補の断念を表明した。

 河村市長は断念の理由について「名古屋の皆さんから『もうちょっと名古屋でやってちょー』という声をたくさんいただいた。涙が出るほどうれしかった」と述べた。立候補した場合の市長職の後継者探しが難航したことも「断念理由の一つ」と話した。

 「総理を狙う男」と公言してきたが、「総理を狙う男をやめることはない。あの世でも続ける。名古屋の政治を広げることが私のミッション」と、国政進出への意欲をあらためて語った。

 この選挙戦で小池百合子東京都知事らと連携する方針を示している大村秀章愛知県知事との関係については「トムとジェリーという感じですけど。一緒にやってきたので、いろいろ話し合ってやっていくのは当然のこと」と述べた。

 河村市長は「名古屋のいい政治を日本中に広めんといかん」と出馬に意欲を示していた。ただ、市長職の後継者探しが難航した上、小池知事が代表に就いた新党「希望の党」から支援を受けるめども立たなかった。

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