• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

愛知

「希望」結党、波紋広がる 与野党、動向を注視

2017年9月28日 紙面から

 野党共闘はどう進むのか。小池百合子都知事が率いる新党「希望の党」は二十七日、都内で結党会見し、「しがらみ政治からの脱却」などを柱とする党綱領を発表した。県内では今のところ新党の動きは表面化していないが、野党共闘のあり方を含め、十月十日公示、二十二日投開票が予定されている総選挙に影響を及ぼすのは必至だ。

 大村秀章知事は県議会の休憩中、報道各社の取材に応じ、「東京都という日本を代表する地方政府を率いる小池都知事が『日本の改革を進める』ともの申すのは、時宜にかなったこと。頑張ってもらいたい」と語った。

 小池氏が新党を率いて安倍政権に挑むことには、もともと深い理解を示していた。今後、小池氏と連携する可能性にも質問は及んだが、知事は「特にコメントすることはない」と述べた。

 自民党県連会長の藤川政人参院議員は「愛知でも都市部では受け皿になり得る」とみる。「政治をリセットする」と無党派層にアピールする小池氏の存在感に「愛知は民進を支持する労組との戦いを考えていれば良かったが、そうはいかなくなる」と危機感をあらわにした。

 公明党県本部代表の伊藤渉衆院議員(比例東海)は、小池氏が都知事と党代表を兼務することに触れ、「本当に可能なのか、今後の動きを注視していく」と疑問視した。

 公明は県内の選挙区に候補を擁立せず、比例東海ブロックで三議席を維持することが至上命令。「希望の党の結成は、確実にわれわれの選挙戦に影響する」と警戒した。

 共産党県委員会の岩中正巳委員長は「党の中心にいる小池知事や若狭(勝衆院議員)さんはまさに自民党的な人。安倍政権の補完勢力になる可能性が高く、共闘の対象にはならない」と話す。

 民進が希望の党に接近する姿勢を明確にしているのに対し、岩中委員長は「(民進、共産、自由、社民の)四党合意の精神に反し、まったく大義がない。野党共闘の枠組みの破壊につながりかねず、慎重に見守っている」と不安視した。

 民進党県連代表の大塚耕平参院議員は「他党のことにコメントする立場にないが、切磋琢磨(せっさたくま)していく相手の一つとして、今後の動向に注視していきたい」と述べた。

 日本維新の会県支部の杉本和巳代表代行は「希望の党が掲げる政策は、維新の政策と極めて近い。議員報酬の削減など、身を切る改革を、維新が先んじて有言実行してきた自負がある。相互協力できると思う」と強調した。

 (今村太郎、中村禎一郎、谷悠己)

主な政党の公約

新聞購読のご案内