愛知
2017年9月27日 紙面から
十月十日公示の衆院選に立候補の意欲を示す河村たかし名古屋市長は、市長選を同日選で行う期限とされる二十六日までに出馬の可否を判断しなかった。同日選は断念したが、公示直前まで立候補するかどうかを検討するとみられる。
政令市長選は投開票日十四日前の告示が定められており、同日選にするには十月八日に告示する必要があった。市選管の担当者は「市内約二千七百カ所の掲示板設置のほか、選挙の七つ道具や投票用紙の発注を考えると、準備に二週間程度必要」と言い、遅くとも二十六日までに市長が辞表を提出する必要があった。
市長はこれまで同日選なら「盛り上がることは間違いない」と話し、自身との相乗効果で後継候補の選挙戦を有利に展開できるとみていた。さらに、人件費や投票用紙作成などに約五億円かかるとされる選挙が、同日選だと二つの選挙で七億五千万円程度に抑えられるため、「なるべく合わせてやるというのが一つの考え方」とも話していた。
ただ、この日までに最大のハードルだった市長職の後継者が決まらず、東京都の小池百合子知事が代表に就いた新党「希望の党」との連携も見通しが立たなかった。このため市長は同日選を諦め、結論を出すのを見送った。
河村市長は二十六日、報道陣に対し「選挙はもともと別々にあるもの」と強調し「いろいろ時間がかかりますし、しょうがないこともありますわね」と話した。
(梅田歳晴)