愛知
2017年9月23日 紙面から
既婚男性との交際疑惑を受け、民進党を離党した山尾志桜里衆院議員(43)=愛知7区=は二十二日午後、疑惑報道後、初めて地元入りし、後援会の集会に参加した。愛知県尾張旭市と瀬戸市の二会場で、支援者らに騒動を陳謝し、次期衆院選に愛知7区から無所属で出馬する意向を正式に表明した。
「何より大事な7区の皆さんに、おわびと感謝、そして決意を伝えに来ました」
山尾さんは、紺のブレザーに白のスカート姿。尾張旭市の会場で、詰め掛けた報道陣に一礼した後、支援者八十人の拍手を受け、語り始めた。
交際疑惑に触れて「男女の関係はなかったが、立場や時期を踏まえると誤解されても仕方ない行動だった」と説明した。「私人である(相手方の)ご家族に大変な心痛をかけ、本当に申し訳ない。夫をはじめ、私を信じて支えてくれている私の家族にも感謝している」と頭を下げた。
時折、涙ぐみながら「無名のよそ者だった私を育ててくれた皆さんに恩返しをできるのは、国会の場しかない。(政治の道に進んだ)この十年の通信簿を皆さんに付けていただきたい」と続けると、「頑張れ」と拍手が湧いた。
「(報道陣のいないところで)支援者と直接話すことを優先したい」(山尾さん)として、集会の一部は非公開。後援会の集まりとあって、会場では、山尾さん擁護の声が大半だった。
集会後、報道陣の取材に応じた山尾さんは「こういった報道に、政治家はどこまで説明責任を果たすべきか悩んだが、新たな主張を重ねると、先方や私の家族の心労になる」として、疑惑への具体的な言及は避けた。
愛知7区からは、自民党の鈴木淳司衆院議員(59)=比例東海=も出馬を予定している。
山尾志桜里衆院議員と報道陣の主な一問一答は次の通り。
−地元入りが遅れた理由は。
報道があってから家族などへの嫌がらせもあり、地元に戻って皆さんとお話ししたいという気持ちの中、少し落ち着いてからでないと、戻れなかった。
−出馬を決めた理由は。
帰ることはできなかったがたくさんの地元の方から「『政治家・山尾志桜里』をまだ見たい」とメッセージをいただき、政治家という仕事を通じてその気持ちに応えたいと思った。
−無所属での選挙をどう戦うか。
組織よりも個人の力を結集することになる。反安倍政権の受け皿がないと言われる中で、私がその受け皿になれるかが問われていると思う。
−将来的な復党も考えているか。
無所属での厳しい選挙後のことまで考えが至らないが、十年育ててもらった民主党、民進党への感謝の気持ちは心の中にある。
−離党会見では記者の質問を受け付けなかった。
(明確には答えず)政治家としていくつかの選択肢があったが、少ない時間の中で迷い、悩みながら下した離党という決断を、メディアを通じて国民にお伝えすべきだとの思いで臨んだ。
−説明責任は果たせたか。
選挙戦を通じて7区の有権者の皆さんに直接説明し、理解していただきたい。