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愛知

<二大政党制はいま 各党選対に聞く> (6)社民・山登志浩さん

2017年8月20日 紙面から

 −護憲政党・社民として、憲法改正の動きをどうみるか

 安倍首相は「スケジュールありきではない」と軌道修正したが、次期総選挙では確実に改憲が争点になる。

 教育無償化や参院の合区解消は、いずれも予算措置や法改正で対応ができる。首相の最大の狙いは九条。護憲政党として、改憲反対とともに、ここ数年は憲法の理念を学び、政治に生かす「活憲(かつけん)」を呼び掛けている。改憲反対は、野党共闘のキーワードにもなる。

 −その野党共闘が進まない

 民進党の代表選(九月一日投開票)で、誰が新しいリーダーになるか。新代表を交えて、野党四党(民進、共産、自由、社民)で一致できる政策を固め、候補者調整を加速させなければならない。第三極や野党共闘が整わないうちに解散する可能性は大いにある。候補者調整は、待ったなしの段階に入る。

 −社民は埋没しかねない

 「安倍政権を終わらせる」という最重要の目的で、きっちり四党で一致している。憲法を守らない政権に、国の将来を任せることはできない。野合と言われるかもしれないが、それぞれの党が単独で闘っても、政権を倒すことはできない。

 野党共闘で社民が得るメリットは少ないが、民進と共産を取り持つ「要石」となる。その役割に徹してでも、憲法を守る。

 −自民も支持率が回復しない

 「一強」と言われてきたが、「他に頼れる政党がないから」という消極的な理由で支持されてきた。国民が安倍政権を積極的に支持したわけではないのに、おごりが出た。国会運営を軽視するということは、イコール、国民軽視。国民をなめすぎた。

 −都議選では都民ファーストが受け皿になった

 維新もそうだが、トップのカリスマ性頼り。国政政党は、各地に事務所があり、党員がいて、機関紙があって、時間をかけて根付く。第三極は、風に乗って短期間の受け皿にはなり得るが、長続きはしない。

 −政治の基本構図は変わらないと

 二大政党制は好ましくない。多様な主義主張を持つ政党が存在したほうが、有権者の選択肢が増える。

 日本人は白か黒かで物事を決めるのが苦手。選択肢が二つしかなければ、選挙では相手をたたきまくることになる。実際、小選挙区はそうなってしまった。多様な民意を吸い上げられるよう、多様な政党があったほうがいい。社民も選択肢の一つとして存在感を示したい。

 (聞き手・今村太郎)

 【メモ】衆議院、参議院とも各2議席を持つが、県内ではゼロ。県議会、名古屋市議会とも議席はなく、江南、瀬戸両市議会に現職が1人ずついる。

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