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愛知

<二大政党制はいま 各党選対に聞く> (5)維新・山本久樹さん

2017年8月19日 紙面から

 −都議選の結果をどう受け止めるか

 維新は、現職が一議席を確保し、首の皮一枚つながったが、「大阪の党」のイメージが抜けなかった。発信が得意だった橋下(徹・前大阪市長)さんが去って以降、党がこぢんまりしてしまった。

 −都民ファーストの会は大躍進

 自民に問題が続き、民進も頼りない中で、消去法としての期待感の表れだと思う。非自民の受け皿になる可能性はあるが、核となる政策が見えない。

 −維新も地域政党がルーツ。違いは

 維新には「規制改革」や「既得権打破」という明確な目標がある。都民ファーストとの連携もささやかれたが、われわれとはあまりに温度差がある。

 −自民が凋落(ちょうらく)

 安倍さん以上に発信力と求心力のある人が党内にいない。安倍さんの問題が党全体の問題になってしまう。

 −民進も受け皿になりきれない

 私も民主出身。政権党時代の反省が見られないことに嫌気がさして、離党した。一番の失望は、選挙で次々と約束した政策が省庁の抵抗でほとんど実現できなかったこと。民進には、役人に逆らえない体質がある。

 −二大政党制はどうなる

 「右か左か」「イエスかノーか」をはっきりさせないことを好む日本人の性質に、二大政党制がなじむのかは疑問だ。安全保障や社会政策といった課題ごとに公約が一致する政党が連立を組めばいい。二つだけにこだわる必要はない。

 −次期総選挙での対立軸は

 「地方重視」と言いながら、役人の抵抗で足踏みした自民と違い、私たちは戦い続ける。最近の安倍さんは改憲論議を封印したが、制度疲労を起こしている憲法、特に(発議要件など改憲の手続きを定めた)九六条の改正にこだわる。

 −野党共闘とは一線を画すのか

 選挙は一緒にやってその後の政策は別、というのでは国民の理解は得られない。考え方があまりに違いすぎる共産とも組むというのはどうなのか。

 −参院選では減税日本と連携した

 税金で身を肥やした人を正して国民に還元する点では共感するが、河村(たかし・名古屋)市長の改革は有名無実化している。

 −党勢拡大の鍵は

 自民も民進も言えないことを言い続けてきた自負があるし、これからも実直に訴える。「橋下イズム」に期待する一定層を取り込み、前回選で獲得しながら民進への合流で失った(旧維新の)二議席を取り返したい。

 (谷悠己)

 【メモ】前身の「維新の党」時代の2014年衆院選は、愛知12区で1人が当選、愛知4区の1人が比例復活したが、ともに民進党へ合流。現在、県選出の国会議員はいない。15年統一地方選では、県議選で2人、名古屋市議選で1人が当選したが、現在は、県議は2人とも無所属、名古屋市議は民進に所属する。

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