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愛知

<二大政党制はいま 各党選対に聞く> (4)共産・石山淳一さん

2017年8月17日 紙面から

 −二大政党制が揺らいでいる

 既に終わった政治体制だと思う。自民の崩壊が始まっているのに、民進も単独では政権を担いきれない。そこで野党共闘が生まれ、二大政党制では蚊帳の外にいた私たちも、一翼を担って政権と対峙(たいじ)している。まったく新しい政治の形だ。

 −自民の凋落(ちょうらく)をどう見る

 安倍政権は首相をはじめ閣僚も右翼イデオロギーを持つ人が多い。この異質な政権が小選挙区制のマジックで衆参ともに多数派をつくり、強引に進めた「共謀罪」や「秘密保護法」など戦前回帰型の政治に対し、国民の怒りが噴出した。加計(かけ)学園や自衛隊日報の問題では、自民を支えてきた「政官業トライアングル」の一角である省庁も、ついに反旗を翻した。自民政治は終わらせるべきだ、とみんなが思っている。

 −与野党の対立軸はどうなる

 参院選では、安倍政権の下での改憲反対や、脱「安保法制」を旗印に戦ったが、次の総選挙では共謀罪への反対、原発政策なども検討すべきだ。野党間で話し合い、憲法に基づく豊かな政策を打ち出す必要がある。

 −都議選で都民ファーストの会が躍進した

 市民の見抜く力は大きい。期待に応える政治ができれば大きなうねりになるだろうし、そうでなければ、多くの第三極勢力のように愛想を尽かされて消えていくだろう。

 −共産も議席を増やした

 新党ブームの一九九三年や政権交代があった二〇〇九年など、新しい政治の流れができた時の選挙で共産はことごとく負けてきたが、今は「反自民」の受け皿になっている手応えがある。

 −民進も惨敗

 私たちが十九議席で民進は五議席。他党の戦いぶりをコメントする立場にはないが、この差を生んだ理由の一つは野党と市民の共闘を正面から訴え続けたかどうかではないか。

 −国政でも共産単独で戦うべきでは

 野党共闘を進めた上で党も躍進できるのが目標だ。共闘を追求することが反自民の力になるので、野党第一党の民進にはもっと伸びてもらいたいし、私たちも比例区を中心に議席増を目指す。

 −愛知で民進は共産との連携に否定的だ

 野党共闘は党本部や党首間で決まる話。私たちは愛知3、4、7区で候補を立てない方針だが、他党との合意内容次第でさらに下ろすこともあり得る。逆に愛知10区など共産候補への一本化を求めていく選挙区もある。

 (聞き手・谷悠己)

 【メモ】2014年衆院選の比例東海ブロックで2人が当選。15年統一地方選では、県議会で2人が当選し、12年ぶりに議席を獲得した。名古屋市議会でも過去最多の12議席を獲得し、公明、減税と並ぶ第3党となった。

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