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愛知

<二大政党制はいま 各党選対に聞く> (2)民進・古川元久さん

2017年8月15日 紙面から

 −都議選で惨敗し蓮舫代表が辞任した

 大相撲名古屋場所に例えるなら、土俵の上で相撲を取ったのは都民ファーストの会と自民、公明、共産まで。民進は県体育館の外で、観客にも素通りされる場所でしか相撲が取れなかった。総括してけじめをつけるのは当然だ。

 −都民ファーストは躍進した

 多くの人が自民に代わる受け皿を求めている証し。近年は地域住民のニーズと中央政府の施策に大きなずれがあり、対立を生んできた。それを背景に支持を得た「維新」や「減税」などの地域政党が躍進する流れが、首都でも表面化した。

 −本来は民進が担うべき受け皿

 私たちの反省は、地域で根を張ることなく、促成栽培のように一気に伸びてしまったことだ。それでも、愛知の民進が多くの国会議員を維持できたのは、地方議員の数が他県より圧倒的に多いから。愛知の形を参考に、もう一度地域を見直し、新たな政党モデルをつくるべきだと思う。

 −どんな形か

 極端に言うと、四十七都道府県で分党し、まずは地域政党として地元に根差すことに専念する。同時にその地域政党をネットワーク化し、会社で言うところのホールディングカンパニーのような国政政党をつくる。

 外交や社会保障は全体で方針を決めて党議拘束をかけるが、産業政策などは、各地域の政党でまとめて意見を集約するような仕組みだ。党本部の会議でもそう提言した。

 −二大政党制はどこへ行く

 小選挙区制では、野党がバラバラだと今のような一強体制を許してしまう。選択肢は二つにとどめておくべきだ。

 −与党との対立軸をどうつくる

 一つは中央対地域。中央集権を前提とした自民と、地域に根差す納税者に視点を置く民進の違いを打ち出す。もう一つは人口減少社会を見据えた社会保障政策。今の分断社会を全員が支え、負担し合う社会に変えたい。

 −改憲は

 もっと議論すべきだし、私たちも時代に合った憲法の形を提案する必要があると思う。もはや護憲か改憲かの時代ではない。

 −野党共闘のあり方はどう考える

 世界的にも右か左かの対立軸は消えつつあり、左右のイデオロギーとは一線を画す必要がある。共産との連携は見直すべきだし、少なくとも愛知では私たちだけで戦える、という覚悟を持ってやっていく。

 (聞き手・谷悠己)

 【メモ】政権を奪取した2009年総選挙で県内15選挙区を独占した。12年は選挙区での当選が2人、比例復活が4人と凋落(ちょうらく)。14年は選挙区当選が6人、比例復活が3人と盛り返した。民進結成時の合流組も含め、県連に所属する衆参の議員数(16人)は党全体の1割に上る。県会、名古屋市会ともに自民に次ぐ第2会派で、県議は32人、名古屋市議は17人。

主な政党の公約

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