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オール与党盤石 3選の大村さん「進化続ける」

2019年2月4日

愛知県知事選で3選を決め、花束を手に笑顔の大村秀章さん=3日夜、名古屋市中区で

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 三日に投開票された愛知県知事選は、与野党から幅広い支援を受けた現職の大村秀章さん(58)が、共産推薦で挑んだ新人の榑松佐一さん(62)をはね返し、大差で勝利した。二期八年でオール与党体制を築いた強さを見せつけ、「進化し続ける愛知をつくる」と力を込めた。

 大村さんは午後八時すぎ、当選確実の報を受け、名古屋・栄の事務所に到着。支援者三百人に拍手で出迎えられると笑顔で壇上に上がり、万歳三唱と節分の「福は内」にかけた「福あいち」の掛け声で豆まきし、当選を祝った。あいさつで、県内をくまなく回った十七日間の選挙戦を「本当に多くの県民の支持、支援を感じることができた」と振り返った。「特に子ども、女性と手を携え、高齢者、障害者の皆さんとバリアフリーの街をつくりたい。人づくり、教育、医療、福祉も前進させる」と決意表明した。

 投票率は前回をわずかに上回ったものの、過去三番目の低さだった。「厳しい数字ではある」と受け止めた一方で「真冬で雨も降りだす厳しい条件の中、多くの方が投票に行ってくれたことに感謝したい。選管関係者らの熱心な呼び掛けもあって改善につながったと思う」と述べた。

◆実績評価 継続を選択

 <解説> 大村氏が三選を果たした。県民が実績を評価し、継続を選択した結果だ。大村氏が初当選した二〇一一年。愛知は屋台骨の自動車産業がリーマン・ショックの直撃を受け、税収が〇七年度から五千億円も減る危機にあった。直後の東日本大震災を経た八年間でおおむね回復した税収をどう使うか。県の一番の仕事は何か。それは知事選の争点でもあった。選挙戦で「リニア」「産業都市」「ジブリパーク」を掲げた大村氏に対し、榑松氏は暮らし重視の県政への転換を訴えた。大村氏も福祉や医療、教育の予算を増やしてきたと反論したが、榑松氏に投じられた票は、県民の将来不安が小さくないことを示している。今後、政策の優先順位を決める際に、その声は無視できないだろう。平成の次の時代、愛知も二〇年には人口減少社会となり、高齢化は止まらない。愛知に住んでもらうには、大型事業の推進だけでなく、老後に安心感を与え、若い世代を呼び込む支援策が急務だ。東京に次いで多い外国人との共生も全国に先んじた対応が求められる。大村氏の三期目は、今後の愛知の姿を決める重要な四年間となる。

 (社会部・鎮西努)

 

 

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