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転換期、種まき託す一票を 名城大・昇秀樹教授

2019年2月3日

 投開票を前に、地方自治が専門の昇秀樹名城大教授に聞いた。 (中崎裕)

 −低投票率が懸念されている。投票の持つ意味は。

 愛知の人口が減るのは二〇二〇年と見込まれる。つまり、次の知事の任期中に人口増の時代が終わり、右肩下がりの時代に突入する。明治維新、戦後改革に次ぐ「第三の改革」が必要とも言われ、社会の仕組みを変えていかなければならない転換期だ。人口が減っていけば、遠からず経済がマイナス成長になり、税収も減っていく。経済成長時代の税収でハコモノを造って、という時代ではない。右肩下がりの財政運営のスタートがこの四年であり、ターニングポイント(転換点)の大事な選挙と言える。

 選挙は勝ち負けだけのイベントではなく、現職の信任を問う意味もある。白票も意思表示。前回の34・93%は民主主義の危機だ。ぜひ投票に行ってほしい。

 −どんな視点から候補者を見極めればよいか。

 時代が大きく変わっていることに気付かないと赤字や借金を抱えることになる。今の日本政府がそう。介護や医療・年金はどうなるか。県民には漠然とした不安があり、財政的な裏付けを持った解決策を愛知で示してもらえれば、気持ちも明るくなる。

 後ろ向きの県政ではなく、前向きにこういう手を打つから大丈夫と示していけるか。産業構造が大きく変わるので、新しい産業や雇用の場をつくっていく必要がある。全国、世界に開かれた愛知・名古屋をつくり、いろんな人を受け入れる土壌をつくらないと。この四年は、次の五十年、百年先につながる種まきの四年という視点が重要だ。

 

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