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期日前PR、空前規模 低投票率を懸念

2019年1月30日

駅を利用する人たちに愛知県知事選の期日前投票を呼び掛ける、県や市の選挙管理委員会の職員ら=29日夕、愛知県一宮市の尾張一宮駅前ビルで

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 2月3日投開票の愛知県知事選で、県内各選管が投票呼び掛けに知恵を絞っている。現職と共産党推薦候補が一騎打ちで戦う同じ構図だった2015年の前回選は投票率34.93%で過去2番目に低かったとあって、投票率向上に躍起。あの手この手で有権者に投票を呼び掛けている。

 二十九日夕、尾張一宮駅前ビル。県と一宮市選管の職員が「こちらで期日前投票ができます」と乗降客らに声をかける。有権者を、そのままビル六階にある期日前投票所に誘う作戦だ。

 県選管によると、知事選の期日前投票所は四年前より三十カ所多い百四十八カ所。路線バスの車内や名古屋市営地下鉄の駅構内、高校にも初めて設け、駅前の公共施設や大型商業施設での設置も増やした。これまで告示後だった選管による広報も告示前から始めた。

 二十日時点でまとめた中間集計では、期日前投票を済ませたのは全有権者の0・91%で、前回をやや上回ったが、県選管は追加対策を打ち出した。

 二十六日からは当初予定していなかった航空機を使った上空からの呼び掛けを展開。投票率が低い若年層を狙い、三十一日には名古屋・栄の松坂屋名古屋店のバレンタイン特設会場でも初めてPRする。一九九五年の32・38%を下回る過去最低を懸念する声もあるが、県選管関係者は「空前のスケールでアピールしていく」と意気込む。

 候補者陣営も投票率の底上げに期待を寄せる。県労働組合総連合議長の新人榑松(くれまつ)佐一さん(62)の陣営は「会員制交流サイト(SNS)で積極的に発信し若者にアピールしている。何とか40%台に」。現職大村秀章さん(58)の陣営関係者も「前回の投票率を超えなければ、当選できても真の意味での信任とはならない」と気を引き締める。

(中崎裕、中尾吟、安藤孝憲)

 

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