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平成の先へ第一声 榑松さん、大村さん

2019年1月17日

 十七日に告示された愛知県知事選は、新人で県労働組合総連合(愛労連)議長の榑松(くれまつ)佐一さん(62)と現職の大村秀章さん(58)が立候補を届け出て、ともに名古屋・栄で第一声を上げた。「人が輝くあいち」を合言葉に県政の継続を掲げる大村さんに対し、「福祉、医療、教育を大事にする県政を」と訴える榑松さん。平成の先、新たな時代を見据えた戦いの幕が開いた。

(中崎裕、中尾吟、安藤孝憲)

◆「暮らしの土台守る」榑松さん

 榑松さんが出発式の場に選んだのは、多くの人や車が行き交う栄広場。午前十時すぎ、支持者らを前に街頭演説をスタートさせた。

 二〇二七年に開業するリニア中央新幹線の事業推進や中部国際空港の二本目滑走路構想を掲げる大村さんに対し「大規模事業は時代遅れ。県民の暮らしの土台を守ることこそ県政の役割だ」と批判。

 会員制交流サイト(SNS)で相談を受けて支援したベトナム人技能実習生から贈られたストライプ柄のネクタイを締め「頑張っている人が普通の暮らしを実現できるよう、中小企業支援や医療福祉の充実に取り組む」と訴えた。

 看板公約に掲げる十八歳までの医療費無料化に触れると、会場から「いいぞ」「頼んだ」の声。「ガンバロー」三唱で締めくくり支持者らと握手を交わした。

◆「産業力さらに前進」大村さん

 大村さんは、栄の広小路通沿いに構えた事務所前で第一声。イメージカラーの赤色ジャンパーに赤いネクタイ姿で「愛知の産業力をさらに前進させ、日本一元気な愛知にしていく」と声を張り上げた。

 強調したのは、企業の成長支援や雇用対策などを手掛けた二期の実績。「八年間で県内総生産は大阪を抜き、東京に次いで二位になった」と経済発展を誇り「保育所、放課後児童クラブの定員を増やすなど福祉施策も進め、人が集まり、経済産業が良い流れで循環している。この流れを続けていかなければならない」と支持を訴えた。

 通行人らから「頑張って」と声援を受けながら、ジブリパーク整備など三期目の公約を語り「世界に輝く愛知をつくっていくため、協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

候補者の演説に耳を傾ける支持者ら=17日午前、名古屋・栄で

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