カジノを含む統合型リゾート（ＩＲ）施設の県内誘致に関し、大村秀章知事と知事選に立候補を表明している愛労連議長の榑松（くれまつ）佐一さんに公開質問していた市民団体が九日、二人からの回答を公表した。大村さんは賛否を明確に示さず、榑松さんはＩＲ誘致を否定した。

　公開質問は誘致に反対する弁護士らでつくる「愛知カジノを考える会」（名古屋市）が先月実施。誘致の意向や、経済効果の認識など十問を選択式で尋ね、八日までに回答を得た。

　大村さんは提示された選択肢を選ばず、文章で回答。県と常滑市で設置した有識者研究会の意見を踏まえ「さらなる調査研究を進めている」などと現状を説明するにとどめた。

　榑松さんはギャンブル依存症やカジノの賭博性などに懸念を示し、誘致の意向を問う質問に「誘致をするつもりはない」との選択肢を選んだ。

　この日、県庁で記者会見した同会共同代表の平井宏和弁護士は、大村さんの回答に関し「誘致に対する考えが明らかになっていない。残念だ」と述べた。