中日新聞

先輩社員の声

編集職/国際

中国総局

石井 宏樹Hiroki Ishii

これまでの仕事で、印象に残ったできごとを教えてください。

22年末の中国のゼロコロナ政策の崩壊が一番印象深いです。直前に出張した台湾では多くの人が夜市を楽しみ、私も現地記者と酒を酌み交わしていたのですが、北京に戻ると10日間の隔離が義務づけられ、自宅隔離では玄関に監視カメラまで設置されていました。隔離あけの休日に街に出るとどこにも人が歩いておらず、ホラー映画の世界にいるようでした。病院では咳をする患者が寒空の下で長蛇の列を作り、薬局には薬を買い求めるお年寄りが殺到。そんな状況でも公式に発表される感染者数はわずか数人で、現場を取材しながら日本とのあまりの違いに呆然となりました。日本では考えられない状況に身を置き、特派員としての特別な経験になりました。

編集局や部の雰囲気を教えてください。

同業他社の話を聞く中で、中日新聞は先輩と後輩の間や部の間の垣根が低く、アットホームな雰囲気が強いと感じています。独自ニュースを取るために努力している記者には先輩や別の取材チームも進んで協力してくれます。中日新聞は海外、東京にも拠点がある特殊な地方紙なので、やる気次第で自分から活躍の場を求めていくことができると思います。

ある1日のスケジュールWork flow

  • 9:00

    出社。中国関連のニュースを確認。中国紙だけでなく香港や台湾、欧米メディアなど対象は幅広い。その後、取材へ。

  • 12:00

    昼食。海外メディアの記者や取材先との会食の場合もある。

  • 13:00

    昼食後にデスクと当日の出稿予定について相談。取材があれば取材に出たり、記事を執筆したりする。

  • 15:00

    中国外務省の定例記者会見に出席。中国では海外メディアが自由に参加できる数少ない公式見解が得られる場所となっている。

  • 19:00

    大きな政治イベントや事件がなければ仕事は終了。取材先との会食などに出かけて生の声を聞く。

キャリアパスCareer path

  • 2005年11月 東海本社静岡総局

    静岡県警と静岡市政を担当。地元県紙の静岡新聞に負けることも多く仕事面では大変だったが、今も付き合いが続く地元の友人もできました。

  • 2009年1月 岐阜支社報道部

    羽島通信部と岐阜県政を兼務で担当。特に通信部は事件や行政まで一人で全部取材し、住民との距離も近いため、地方紙の原点を感じられて楽しかったです。

  • 2012年8月 名古屋本社編集局経済部

    製造業(自動車、航空機、工作機械)と交通(鉄道、航空)を担当。トヨタ自動車やJR東海のリニア中央新幹線など全国的にも話題になるニュースの最前線を取材でき、記者冥利に尽きる5年間でした。

  • 2017年4月 名古屋本社編集局社会部

    名古屋市内の警察署担当と愛知県警を担当。殺人事件や巨額詐欺事件などで昼夜を問わずに取材に駆けずり回る日々が続きました。目立たずとも黙々と治安を支える一線の警察官たちのまじめさに心を打たれました。

  • 2019年8月 海外留学生

    北京大学で中国語を勉強していました。仕事を完全に離れて勉強に没頭できる生活に感動していましたが、残念ながら半年経つとコロナ禍となり、帰国してオンライン授業で学習を続けました。

  • 2020年8月 名古屋本社編集局社会部

    LINEの公式アカウントの友だちと双方向で記事を作り上げる「ユア・スクープ」の立ち上げに参加しました。東海テレビとの共同取材などこれまでにない取り組みや取材テーマに携わり、記者としての視野が広がりました。

  • 2022年8月 東京本社外報部中国総局

    政治・外交を担当。ゼロコロナ政策が崩壊していく最後の数か月を中国人とともに体験しました。次回大会が愛知県で開かれる縁で、23年9月に開催された杭州アジア大会も現地で1か月強にわたって取材しました。

※所属は取材当時のものです。

休日の過ごし方Holiday

中国は食事が安くておいしく、会食の機会も多いです。太りやすいため、時間を見つけて水泳などの運動をしています。休日は北京の同好会に入って、中学校の部活動以来のバレーボールを楽しんでいます。

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