中日新聞

特集「ダイバーシティ推進」

働き方インタビュー

女性活躍

名古屋本社編集局教育報道部 中日こどもウイークリー編集長

長田 真由美Mayumi Osada

これまでの仕事で、印象に残ったできごとを教えてください。

教育報道部、生活部と不登校の取材を続けてきました。新型コロナウイルスの対策で一斉休校になったのをきっかけに不登校が急増。現状を伝える連載をしたところ、100通近くのメールや手紙が届きました。2017年に教育機会確保法が施行され、不登校への理解は進み、「学校は休んでもいい」と登校を強制されなくなりました。ただ親子ともに、「本当にこのまま休んでいていいのか」「将来、進学や就職はできるのか」と不安に思っています。小学校低学年から不登校になると、頼れる人がいない場合は両親どちらかが家に残って世話をしなくてはならないため、離職する親もいます。取材では涙ながらに話してくれる親子も多く、深刻な問題だと感じています。

新聞社というとジェンダーに関係なく活躍できそうなイメージですが、実感はありますか。

どの業界もそうですが、最近は「男性」「女性」にかかわらず、活躍できる機会が増えたと感じます。新聞社でも、育児をしながら警察取材をしたい女性もいれば、仕事をセーブしながら子育てにかかわりたい男性もいます。中日新聞は、そうした個人の意思や意欲を尊重してくれる会社だと思います。

マスコミには急な呼び出しなどがあり、子育てをしながら働くには大変なイメージがありますが、ご自身はどう工夫されましたか。

私は出産以来、基本的に呼び出しがない部署に勤務しています。ただ、放送芸能部時代は平日の夜や休日に舞台が上演されることが多く、やりくりに苦労しました。行政による「ファミリーサポート」という子育て支援制度を活用して、子どもの世話をお願いしました。

産休や育休については取得しやすい雰囲気ですか。ご自身や男女問わず社員の取得状況はいかがですか。

男女ともに、非常に取得しやすい雰囲気だと思います。特にここ数年、男性の取得が増えています。また、子どもが小さい時は短時間勤務を選択する人も多いです。私自身は2度、育休を取りました。夜間や休日の仕事は、自分のできる範囲でやれるよう、意向も聞いてもらえて感謝しています。

編集長を含め、部長や局長など社内で責任ある立場に就く女性は増えてきています。新聞業界でのキャリアを考えている女性に向けてメッセージをお願いします。

以前は採用時の人数が少なかったため、責任ある立場の女性はまだ多くはありません。ただ、近年の入社者は男女半々くらいで、女性が増えるにつれて管理職の女性も確実に増えています。多様な人材がいるからこそ、多様な紙面がつくれます。中日新聞には、自分の個性や強みを生かせる場がたくさんあります。ぜひ挑戦してみませんか。

ある1日のスケジュールWork flow

  • 5:30

    起床。高校生の弁当作り、朝食、洗濯、掃除、猫の世話。余裕があれば体力づくりのためランニング

  • 8:30

    2人の子どもを送り出し、出勤

  • 9:30

    記者の原稿をチェック。ゲラを確認し、校閲修正に対応。いつも気が付けばお昼に

  • 13:00

    同僚とのランチが1日の息抜きに。時間がないと自席で弁当。午後からはデザイン会社との打ち合わせや他局との会議が入ることも

  • 18:00

    退社。30分で夕飯作り。晩酌しながら、本を読むのが至福のとき

  • 22:30

    就寝

キャリアパスCareer path

  • 2003年8月 岐阜支社、大垣支局

    大垣市の警察や行政などを担当。在日ブラジル人に関心を持ち、取材を始めました。ポルトガル語しか分からない子どもが、日本の学校になじめず不登校になることも。受け皿となるブラジル人学校を取材し、教育に関心を持つようになりました。

  • 2006年8月 名古屋本社半田支局

    知多半島南端の内海通信部に勤務。観光と漁業が盛んな町で、着任後すぐに「アカウミガメの卵が生まれました」と一報が入り、びっくり。取材先で読者に声をかけられることも多く、読者と中日新聞の距離の近さを実感。

  • 2017年9月 名古屋本社編集局放送芸能部

    演劇を担当。芸能の分野は、歴史や文学などあらゆる知識や教養が必要で、学ぶことばかりの毎日。取材を通してミュージカルや歌舞伎、お芝居の魅力にはまり、部署を異動してからも個人的に通うように。

  • 2019年8月 名古屋本社編集局生活部

    入社以来、希望していた生活部に。医療と子育てを中心に取材。医療では遺伝子を調べて治療する「がんゲノム医療」など最先端の現場を訪ねることも。過去の取材をきっかけに、不登校や発達障害、生きづらさをテーマに取材を続けました。

  • 2024年8月 名古屋本社編集局教育報道部中日こどもウイークリー編集長

    2011年の創刊から読者でもあったウイークリーに。読者ターゲットがはっきりしているので、この話題は子どもにとって関心があるか、知っておいてほしいかを常に考えるようになりました。記者6人とともに、他部署や他局のみなさんの力も借りながら、毎週新聞をつくっています。

※所属は取材当時のものです。

障がい者活躍

東京パラリンピック バドミントン女子ダブルス 銅メダリスト/
中日新聞社会事業団

伊藤 則子Noriko Ito

現在、何の仕事を担当していますか。

社会事業団は社会福祉事業の実施や福祉団体などの支援を行う部署です。その中で、障がいのある方や高齢者などに対する福祉事業の後援や共催申請受付業務、主催事業の企画実施を行なっています。また寄付金の受付業務に加え、寄付者の紹介やイベントの告知の記事などを書くことも業務の一つです。

これまでの仕事で、印象に残ったできごとを教えてください。

今は実施されていませんが、社会福祉に貢献している個人・団体を表彰する「中日ボランティア賞」の立ち上げを担当しました。有識者である大学教授や福祉現場で働かれている方、社会福祉協議会など公的機関の方々と連携し、形ができあがった時はとても充実感を覚えました。
そして、実際に受賞された方々とお会いして、その活動の素晴らしさと謙虚さを肌で感じ、自分自身もそうありたいと、自らの成長に活かしています。

自身の就職活動を振り返って。

できるだけ障がいがあるということを感じさせないようにと考えていました。その半面、障がいがあるからこそ経験できたことを活かしていきたいという思いもあり、それを自己PRすることも意識していました。
中日新聞社では初めての新卒障がい者採用ということで、自分の出来次第で今後の採用に影響するというプレッシャーもありました。しかし、自分にできること、またサポートが必要なことは相談させていただき、負担なく勤務することができています。

周りのサポート、職場環境について。

障がいがあることに加え、仕事と競技の両立の面でも、とても理解をしていただいています。通院や義足の調整などが多くなりがちですが、勤務調整が可能なため競技活動を欠かすことなく続けられています。
ハード面でも社内はバリアフリー(多目的トイレもある)のため困ることもありません。合宿や大会時は、同僚のフォローや会社の理解(休みや出張扱いなど)もあり、競技に集中することができています。

仕事と競技を両立するにあたって、
気をつけていることはありますか。

大会や合宿などで不在にすることが多くなるため、不在にする期間を考慮し、その間のスケジュール調整や関係者への連絡、仕事の引き継ぎをすることです。また、周りへの負担を減らすため、できるだけ早くから入念に事前準備を行っています。しかし、全てをフォローできず同僚の力を借りることもよくあるので、周りの方々に感謝しています。

中日に入社して良かったこと、
中日だから出来たことはありますか。

情報を発信することができ、またその情報をより早く入手することができる会社というメリットを活かして、自分の仕事や競技について紙面で紹介できていることです。紙面を通じて自ら学ぶことも多いです。
また、地域に根ざした新聞社ということで、地元の企業や読者の方からの信頼をいただき、福祉事業を展開できていることです。

今後の目標について教えてください。

仕事と競技で得た知識と人脈を活かし、パラスポーツやそれを取り巻く方々の支援やPRとなるイベントの企画をしてみたいと強く思います。また、自ら体験会や教室などで講師を務め、スポーツとしてだけではなく、障がい者の生きがいなど広く理解を深めるための情報発信をしていきたいです。
競技面では、仕事と両立しながら、より一層練習やトレーニングを積み、パリパラリンピックの出場を目指したいです。

障がいを持つ学生へメッセージをお願いします。

自分の障がいやできることを強みにしてほしいと思います。障がいがあるからこそ気付けることや感じることも沢山あります。それを武器にして、情報発信ができる新聞社で共に発信していきましょう。
職種のデパートと言われる新聞社には、どこかに必ず自分に合った仕事があるはずです。居心地がよく、本領を発揮できる場所を見つけられるよう頑張ってください。

※所属は取材当時のものです。

各種制度紹介

両立支援

  • 妊娠休暇

  • 産前、産後休暇

  • 育児休業※1

  • 配偶者出産休暇

  • 育児のための短時間勤務制度※2

  • 子の看護等休暇※3

  • 介護休業

  • 介護のための短時間勤務制度

  • 介護休暇※4

※1 子が満3歳(法定では満1歳)になるまで取得可能
※2 子が小学校を卒業する(同・満3歳)まで利用可能。
※3 子が小学校を卒業するまで年間10日(同・5日)、対象となる子が複数いる場合は15日(同・10日)
※4 年間10日(同・5日)、対象となる家族が複数いる場合は15日(同・10日)

教育研修制度

  • 新入社員研修
    全体研修2か月、配属別研修2か月以上

  • 階層別研修

  • フォローアップ(3年目・7年目)研修

  • 海外留学制度

  • 事業構想大学院大学への派遣

女性活躍推進法・行動計画

  • 男性に対する女性の平均継続勤務年数の割合を75%とすること

  • 採用した労働者に占める女性の割合を50%とすること

愛知県ファミリーフレンドリー企業

ファミリー・フレンドリー企業とは、男女ともに仕事と家庭の両立ができる様々な制度と職場環境を持つ企業のことです。
従業員の子育て支援に取り組む愛知県内の企業や事業所を奨励・支援し、その取り組みを広く紹介するために創設されました。

※愛知県ファミリー・フレンドリー企業のサイト

福利厚生制度

  • 転勤者用社員寮、借り上げ社宅、家賃補助制度

  • 福利厚生代行サービス「リロクラブ」への加入

  • 下呂温泉、志賀高原、上高地に保養所あり、ほか特約旅館多数

  • スポーツクラブ、レジャー施設の優待

  • 中日病院(健康保険組合直営)
    社員が受診した場合、本人負担は他の病院受診時の半額

  • 診療所、社内医務室

  • 財形貯蓄、住宅資金融資、低利率での社内貸出制度、退職金、企業年金あり