先輩社員の声
編集職/取材
名古屋本社編集局文化芸能部
堀井 聡子Satoko Horii
これまでの仕事で、印象に残ったできごとを教えてください。
1つの面の中で一番目立つ扱いを意味する「アタマ」の記事。瀬戸支局で初めて書いた地方版の「アタマ」は、おじいさんが廃材でたくさんのミニカーを手作りしている話でした。
ある夜、支局に残っていると電話がかかってきました。「月下美人が咲いたで、来やぁ」。電話の主はそのおじいさんでした。ご自宅へ向かうと、庭にいくつもの白い花をつけた鉢植えが。月下美人は夜に咲き、朝になるとしぼんでしまう花。貴重な瞬間を私に見てもらおうと、わざわざ電話をくれたのでした。
記事を読んだ人がミニカーを見に来たと、おじいさんはとても喜んでくれました。劇的に社会を変える記事ではないけれど、自分が書いた記事が喜ばれ、地元の人と血の通った交流ができた初めての体験。鉢の前にいすを並べて2人で眺めた夜は、一生の思い出です。
編集局や部の雰囲気を教えてください。
文化芸能部は、「映画」「美術」「将棋」など記者ごとに専門分野が分かれており、人によって仕事のスケジュールもばらばら。東京へ俳優のインタビューに行く人もいれば、会社で原稿執筆に集中している人もいます。しかし、地元出身の将棋棋士の対局や、著名人の訃報、ジブリパーク関連など大きなニュースは、記者の専門分野や部の垣根を越えて連携します。
カルチャー面は掲載される曜日が決まっており、あらかじめ紙面を作っておくため、休日の急な呼び出しは少なめ。アットホームな雰囲気です。
中日新聞社の魅力や良いところを教えてください。
入社してから気づいたのは、「中日新聞は記者がコラムを書く機会が多い」ということです。
多くの地方版にはそのエリアを担当する記者たちのコラムコーナーがあり、取材のこぼれ話や記事に込めた思いなどを書いています。取材先から「読んだよ」と反響があったり、地元の人から「あなたのコラムが好き」と言われたりすることもあります。
中日新聞の良さは、地元読者の皆さんと記者の顔が見える関係づくりを大切にしていること。その事例の1つが、地方版のコラムだと思います。
ある1日のスケジュールWork flow
10:00
大阪で人形浄瑠璃文楽の取材のため、自宅から直接向かう。新幹線の中でインタビュー項目を確認
12:00
大阪に着き、お店で昼食。会社にいるときは社員食堂を使うことが多い
13:45
文楽劇場に到着し、大阪支社のカメラマンと合流。撮ってほしい写真のカットや段取りを確認
14:00
三味線奏者にインタビュー。記事は東京新聞と中日新聞に載せるので、今度の東京公演にかける思いなどを聞く
15:00
取材終了
15:15
毎月コラム執筆を依頼している大阪在住のライターさんを誘い、お茶をする。雑談しながら執筆テーマについて相談
18:00
先ほど取材した三味線奏者が出ている文楽の公演を鑑賞する。舞台を見るのも勉強です
20:30
公演終了。この日は大阪に泊まり、翌日出社する
キャリアパスCareer path
2014年4月 入社
マスコミ志望で、文章を書いたり写真を撮ったりするのが好きだったので、新聞社を中心に就職活動をしていた。学生時代に中日新聞東京本社でアルバイトをしていて、社内ののびのびとした雰囲気に親しみを感じたことも理由の1つ。
2015年3月 名古屋本社瀬戸支局
主に瀬戸、尾張旭の市政を担当。瀬戸出身の将棋棋士・藤井聡太さんが史上最年少でプロ入りして29連勝を達成。地元が快進撃に沸く様子を取材した。
2017年8月 北陸本社編集局報道部
遊軍、金沢市政を2年間ずつ担当しながら、月に1回若手記者でつくる若者向けの紙面「ポプレス」の編集長に。1つの面を丸々使うポプレスは、ネタや構成を考えるのが大変だったが、その経験が長い記事を書くことに役立っている。
2021年9月 名古屋本社編集局文化芸能部
能楽や歌舞伎、日本舞踊などの伝統芸能を担当するほか、多くのアイドルが名古屋で活躍する背景に迫る週1の連載「ゼロからのナゴヤアイドル学」も執筆。企画で、最新のVR技術を生かしたエンタメについて取材することもある。
※所属は取材当時のものです。
休日の過ごし方Holiday
家でのんびり過ごすことが多いですが、土日は伝統芸能の公演を見たり、アイドルのライブの取材が入ったりすることも。お酒と料理が好きで、お気に入りの酒屋に車で行ってお酒を仕入れ、つまみを作って1人晩酌しています。