紙面から(パラリンピック)

「東京世代」世界との差 多くが実力不足

車いすバスケットボール男子9、10位決定戦でパスを出す鳥海連志=共同

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 初めてのパラリンピックに挑んだ「東京世代」は、自国開催の4年後へ貴重な経験を積んだ。一足先にメダルをつかんだ選手もいるが、多くは厚い壁にはじき返され、悔しさを味わった。

 陸上女子の21歳、辻沙絵(日体大)は400メートル(切断などT47)で銅メダルに輝いた。陸上を始めて1年半あまりで表彰台に上がり、今後への期待が膨らむ。競泳男子200メートル個人メドレー(知的障害)で3位となった中島啓智(千葉・中山学園高)はまだ17歳。大舞台で自己ベストを大幅に更新し「東京では金メダルを目指す」と意欲を燃やす。

 決勝へ進んだことで、世界トップの実力を体感した選手も。カヌー女子の瀬立モニカ(筑波大)はスプリント・カヤックシングル200メートル(運動機能障害KL1)で8位、陸上女子の前川楓(チームKAITEKI)は100メートル(切断などT42)で7位だった。ともに18歳。完敗した決勝で感じた力の差を、どれだけ埋めていけるか。

 目立った若手は限られており、育成面では不安が残る。競泳女子(運動機能障害)で19歳の一ノ瀬メイ(近大)は出場した個人6種目で予選落ちし涙を流した。卓球男子の21歳の岩渕幸洋(早大)はシングルス(立位9)1次リーグ2連敗で敗退。自転車男子(運動機能障害)の20歳、川本翔大(大和産業)もトップレベルで競うには実力不足だった。

 9位に沈んだ車いすバスケットボール男子の17歳、鳥海連志(長崎・大崎高)と22歳、村上直広(BNPパリバ証券)は得点をマークするなど貴重な一歩を踏み出した。ただ出場時間は十分でなく、完全燃焼はできなかった。

 (共同)

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