紙面から(パラリンピック)

パラ初の死亡事故 イラン選手、自転車競技中

14日、自転車男子個人ロードタイムトライアルに出場したバハマン・ゴルバルネジャド選手=リオデジャネイロで(共同)

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 【リオデジャネイロ=荘加卓嗣、伊藤隆平】十七日午前(日本時間十七日午後)に行われたパラリンピックの自転車男子個人ロードレース(運動機能障害C4、5)競技中、イランのバハマン・ゴルバルネジャド選手(48)が、事故死した。パラリンピック競技中の死亡事故は史上初めて。国際パラリンピック委員会(IPC)が発表した。

 IPCや大会関係者の説明によると、レースはリオ西部のポンタルで、午前九時四十五分にスタート。同十時半ごろ、同選手は山あいの35キロ地点で下り坂の急カーブを高速で走行中、コントロールを失い、フェンスにぶつかるか、地面に転倒したとみられる。ヘルメットが激しく損傷していた。

 最寄りの病院へ救急搬送され、心肺蘇生が試みられたが、死亡した。自転車やコースの状態などについて、関係者は「詳細に調査して、再発防止に努める」との説明を繰り返した。同選手には妻と一人の息子がいるという。

 IPCは弔意を示すため選手村で半旗を掲げるほか、十八日の閉会式で一分間の黙とうをささげる。記者会見したIPCのフィリップ・クレーブン会長は「パラリンピックの広がりと今大会にとって、悲劇的な一日だ。彼の家族に哀悼の意を表したい」と沈痛な面持ちで話した。

 レースには日本の石井雅史選手(43)=神奈川県藤沢市、市みらい創造財団=も出場していたが、途中棄権した。

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