紙面から(パラリンピック)

100自は「銅」、メダル4個目 競泳・木村

男子100メートル自由形決勝 力泳する木村敬一。銅メダルを獲得した=共同

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 レース後、疲れのせいかなかなかプールサイドに上がれなかった。不調の予選をはね返す意地のメダル。競泳男子100メートル自由形(視覚障害S11)で今大会自身4個目のメダルとなる銅になった木村敬一(26)は、肩で息をしながら「きつかった。一番厳しい勝負だった」と振り返った。

 大会終盤に差し掛かる中で日本勢に金メダルがなく、期待を一身に背負いながら今大会4レース目。強気の言葉とは裏腹に、疲労も蓄積していた。前日の100メートルバタフライは本命種目の一つだったが、金メダルを獲得できなかったことに「すごく引きずっていた」と打ち明けた。

 予選は8人中7位の下位通過。コースは波が跳ね返り不利とされる端だったが、スタートから果敢に飛ばした。50メートルでターンする際「(体が調子よく)動いているというのは分かった。このまま押し切ろうと思った」との言葉通り、スピードを落とすことなくトップに食らい付いた。タイムは予選の1分2秒85から59秒63へと縮めたことも「びっくりした。出ると思わなかった」と顔をほころばせた。残す16日の200メートル個人メドレーは、決勝進出を決めた。エースが有終のレースに懸ける。

 (荘加卓嗣)

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