紙面から(パラリンピック)

国枝・斎田組は「銅」 車いすテニス

男子ダブルス3位決定戦 三木、真田組と対戦する国枝(左)、斎田組=田中久雄撮影

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 日本人ペア同士の対戦となった車いすテニス男子ダブルスの3位決定戦。国枝慎吾(32)と斎田悟司(44)のベテランコンビが経験の差を見せつけ、三木拓也(27)と真田卓(31)のペアを突き放した。日本の車いすテニス界を引っ張ってきた2人は「まだ若い選手には負けられない」と笑顔を見せた。

 真っ赤なウエアに日の丸をつけた4人の選手がセンターコートを走り回った。互いに手の内を知る相手。公式戦での初めての対戦は若い2人が攻め、経験豊富な2人が守る展開だった。

 「斎田さんの守備力が生きる展開で、こっちのペースだった。ミスの少ない方が勝つと思った」と国枝。打ちやすいボールに対するミスの数は三木・真田組の59に対し、国枝・斎田組は半分以下の22で、粘り強くボールを拾ったベテランペアが勝利を引き寄せた。

 三木の打球がコートを外れて試合が決まると、2人は抱き合い、涙を見せた。「メダルがあるか、ないかは大きな違いだと自分にプレッシャーをかけていた。自分の支えになる銅メダル」と国枝。斎田は「勝ててほっとした瞬間、気持ちが緩んだ」と涙の訳を話した。

 2004年アテネ大会で金、08年北京大会で銅メダルに続く三つ目のメダル。「勝って世代交代を果たす」と挑んだ三木・真田組に、国枝は「まだ負けられない、という気持ちで勝った」と振り返った。

 国枝の背中を追う三木は「僕は力を百二十パーセント出せた。攻めのテニスを貫き、内容は勝っていた。次の東京大会で超えてやるという手応えを得られた」と話す。

 「ベスト4に2チームが残った日本の実力をさらに伸ばしていきたい」と斎田。4年後は、決勝で−。東京大会に意欲を燃やす4人の新たな挑戦が、始まった。

 (北島忠輔)

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