紙面から(パラリンピック)

連日メダルも「きつかった」 木村

男子100メートル平泳ぎで銅メダルを獲得し、声援に応える木村敬一=13日、リオデジャネイロで(田中久雄撮影)

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 「もうちょっとタイムが出ていると思った」と木村敬一は苦笑いした。「銅」を獲得した100メートル平泳ぎの記録は1分12秒88。本人にとって決して悪くないタイムだが、試合前には1分10秒台を理想としていた。折り返しで壁を蹴った際に「初速に乗せきれず、きつかった」と語った。

 50メートル自由形で銀メダルを取った前日からの連戦。「昨日すごくいいタイムが出たんで、反動で一気に疲れたと思う。今朝は筋肉痛みたいな感じでした」。野口智博(ともひろ)コーチは「原因はよく分からないが、二日前から寝不足に苦しんでいる。のどの痛みもある。半年以上前から、たまにこういうことがある」と少し心配そうだ。

 野口コーチは世界選手権の出場経験がある元競泳選手で、二〇一二年のロンドン・パラリンピック後から木村を本格的に指導。全盲の木村が進路を誤らないよう、あえてコースロープに触れながら泳ぐため、その負荷に負けない筋力トレーニングを取り入れた。「練習の成果もあって、体調が悪くてもいい泳ぎができている」と話す。

 木村は十五日に100メートル自由形に出場する。「ぐっすり寝て疲れを取ってみせます」と三個目のメダル獲得に向けて意欲を語った。 (伊藤隆平)

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