紙面から(パラリンピック)

佐藤全力「次は自力で出場権を」 トライアスロン

トライアスロン男子沿道から声援を受け、ランで力走する佐藤圭一=田中久雄撮影

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 「力を出し切った」。リオデジャネイロ・パラリンピックから正式競技になったトライアスロンの運動機能障害PT4に出場した佐藤圭一(37)=名古屋市西区、エイベックス。最下位の11位だったが、すっきりした表情で初めての夏のパラリンピックを振り返った。

 2年前は25メートルを泳ぐのがやっとだったというスイムが最大の課題だった。序盤は屈強な海外勢に食らいついたが、やはり徐々に背中が見えなくなった。続くバイク(自転車)とランでも差を埋められなかった。

 生まれつき左腕の手首から先がない。冬のパラリンピックにはクロスカントリーなどで過去2大会に出場。足腰のトレーニングのために自転車に乗っていた延長で、トライアスロンにも2年前から力を入れる。

 8月が終わりに近づいたころ、ロシア選手団のドーピング問題を受けた不参加により出場枠が回ってきた。「リオに来られたのは偶然。4年後の東京では自力で出場権をつかむ」と意気込む。

 その前にまた2年後には冬のパラリンピックがやってくる。「そっちに向けてもトレーニングを頑張る」。40歳に近づく体はまだ、発展を続ける。

 (伊藤隆平)

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