紙面から(パラリンピック)

バリアフリー対策に不満も 8日朝開幕

観光名所のコパカバーナ海岸に設置されたパラリンピックのシンボルの前で写真を撮る人たち=6日、リオデジャネイロで(田中久雄撮影)

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 【リオデジャネイロ=北島忠輔】南米初開催となるリオデジャネイロ・パラリンピックが七日夜(日本時間八日朝)開幕する。聖火がリオ市内を走り、観光名所のコパカバーナ海岸には大きなシンボルマークが登場。大会関係者は「五輪に続いて成功を」と盛り上げに躍起だが、障害者に配慮したバリアフリー対策が行き届かないことに、市民から不満の声も漏れている。

 聖火がリオに到着した六日、式典に出席した組織委のカルロス・ヌズマン会長は「人間同士の壁を取り払う素晴らしい大会になる」と述べ、大会の意義を強調した。

 リオ市は、パラリンピック開催が決まった七年前から、競技施設や交通インフラなどのバリアフリー対策を推進。会場近くのバス乗り場や新しくできた路面電車の駅には、車いす用のスロープが設置された。

 だが、障害者が日常的に利用する路線バス乗り場では、段差が大きく、乗りづらい状況はほとんど変わっていない。リオを拠点に障害者の生活や就労を支援している団体のテレザ・コスタ・デアマラウ代表は「改善は一部だけで、車いすの人や視覚障害者は出歩けないまま、社会の隅で暮らしている。大会を通して、社会全体の意識が変わることに期待する」と話す。

 組織委はチケットが完売した前回のロンドン大会の再現を目指すが、実際は低調。売り出した二百五十万枚のうち、四割ほどが売れ残っている。資金不足からボランティアを削減したため、大会の運営を不安視する声が出ている。

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