紙面から

<サンバの鼓動> 熱いエール 勝敗左右?

 五輪会場では、イヤホンをつけながら写真を撮る海外カメラマンの姿をよく見かける。理由は、地元カリオカ(リオっ子)たちの大歓声。足踏みや指笛、応援歌も響き渡り、観客席に近い撮影ポジションでは、うるさすぎて撮影に集中できないからだ。

 熱狂的な応援は、時に試合の流れを変える。7日にあった卓球女子シングルスでの石川佳純選手の初戦。石川選手が2ゲーム先取すると、劣勢に立たされた北朝鮮の選手へ観客から声援が飛び始めた。

 点が入るたびに地鳴りのような歓声がわき、徐々に試合の流れは相手選手へ。結局、最終ゲームまで試合はもつれ、石川選手は敗れた。勝敗を決めた要因はさまざまあるだろうが、応援もそのうちの一つだったように思えてならない。

 開幕前は地元の盛り上がりに欠けると言われたリオ五輪だが、そこはお祭り好きのカリオカたち。ラテン特有のノリが生み出す番狂わせがあといくつみられるだろうか。 (隈崎稔樹)

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。